示談書の「免責金額(自己負担分)」の計算のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 車両保険等の免責相殺。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故の被害に遭った際、過失割合が発生すると問題になるのが「免責金額(自己負担分)」の処理です。特に自身の車両保険を使う場合や、相手方との示談交渉において「免責相殺」という言葉が出てきて混乱する方は少なくありません。
この記事では、交通事故における免責金額の仕組みや、示談時の計算方法、そして被害者が損をしないための注意点を交通安全・損害賠償法に精通した弁護士が分かりやすく解説します。
交通事故における「免責金額」とは何か?
免責金額とは、車両保険契約を結ぶ際に設定する「自己負担額」のことです。例えば、免責金額を「5万円」に設定していた場合、車の修理費用が30万円かかっても、保険会社から支払われるのは25万円となり、差額の5万円は契約者自身の負担となります。
交通事故では、この免責金額の存在が相手方との示談交渉や保険金の受け取りに複雑に関わってきます。まずは、自身の保険を使うケースと、相手方との間で発生する相殺の仕組みを押さえておく必要があります。
車両保険の免責設定のパターン
保険商品によって異なりますが、一般的な免責設定には以下のようなものがあります。
- 定額方式:事故のたびに一律の金額(例:5万円、10万円など)を負担する。
- 増額方式:1回目の事故は少額(例:0円や5万円)、2回目以降は増額(例:10万円など)する。
免責相殺の仕組みと具体的な計算方法
過失割合が「自分:相手=2割:8割」のような過失相殺のある事故で、自分の車両保険を使って修理をする場合、「免責相殺(めんせきそうさい)」という計算が行われます。
ここが被害者にとって最も分かりにくいポイントですので、具体例を用いて分かりやすく解説します。
具体例で見る免責相殺の計算
- 車の修理費用:50万円
- 自身の過失割合:20%(自己負担分:10万円相当)
- 相手の過失割合:80%(相手負担分:40万円相当)
- 車両保険の免責金額:5万円
この条件で自身の車両保険を使用する場合、保険会社からの支払額は以下のステップで計算されます。
- 修理費用(50万円)から、自身の過失割合分(10万円)を引いた金額:40万円
- さらに、車両保険の免責金額(5万円)を引いた金額:35万円
したがって、保険会社から支払われる保険金は35万円となります。
不足分の5万円はどうなるのか?
上記の計算では、本来相手が負担すべき8割分の40万円に対し、保険金が35万円しか出ていません。差額の5万円(免責金額分)はどこに行ったのか疑問に思うでしょう。
この免責金額である5万円分は、相手方の保険会社に対して直接請求する権利が残ります。最終的な示談交渉において、相手の保険会社からこの自己負担分を回収することで、トータルでの金銭的な損害を補填することになります。
示談書にサインする前の注意点
免責金額や過失相殺が含まれる事故の示談書を作成する際には、細心の注意が必要です。「言った・言わない」のトラブルを防ぐためにも、以下のポイントを必ず確認してください。
清算条項(示談条項)の内容を確認する
一般的な示談書には、「本示談成立以降、双方はいかなる債権債務も存在しないことを確認し、互いにこれ以上の請求を行わない」という趣旨の清算条項が記載されます。
もし、相手方の保険会社との間で「免責金額分の5万円」の精算が済んでいない段階でこの示談書にサインしてしまうと、二度と差額を請求できなくなってしまいます。
「自己負担分」がきちんと回収できているか確認する
ご自身の車両保険で免責金額を差し引かれたままになっていないか、相手からの賠償金の中にその免責分が含まれているかを、示談書の金額内訳で必ず確認しましょう。
不安な点がある場合は、安易に示談書に署名・捺印する前に、交通事故に詳しい弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。適正な計算が行われているかを確認してもらうことで、泣き寝入りを防ぐことができます。
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