交通事故の類型の中で最も発生件数が多いのが「追突事故(おかまを掘られる)」です。
車を運転する人にとって、「追突事故は、後ろからぶつかった側が100%悪い(過失割合は100対0である)」というのは広く知られた常識です。 確かに、赤信号や渋滞で正しく停止している車に対して、前方不注意などで追突した場合、過失割合は例外なく【追突された車:0%、追突した車:100%】となります。
しかし、すべての追突事故が自動的に100対0になるわけではありません。 状況によっては、「追突された側(前の車)」にも過失(責任)が問われ、賠償金が減額されてしまう例外的なケースが存在します。
追突された側に過失が問われる「3つの例外」
前の車(追突された側)に過失が発生するのは、主に「理由のない急ブレーキ」と「不適切な駐停車」があった場合です。
1. 理由のない「急ブレーキ」による追突
道路交通法(第24条)では、「危険を防止するためやむを得ない場合を除き、急ブレーキをかけてはならない」と定められています。
- 理由のない急ブレーキの例:
- 道を間違えたことに気づき、慌てて止まった。
- 後続車に対する嫌がらせ(あおり運転・ブレーキテスト)で止まった。
- 犬や猫などの小動物が飛び出してきたため止まった。(※人間の子供の飛び出しを避けるためなら「やむを得ない理由」と認められますが、小動物の場合は後続車の危険を優先すべきと判断されることが多いです)
- 過失割合: このような理由のない急ブレーキをかけて追突された場合、基本割合は【前の車(急ブレーキ):30%、後ろの車(追突):70%】となり、追突された側にも重い過失が問われます。
2. 駐停車禁止場所での事故
交差点の中や横断歩道の上、カーブの途中の見通しの悪い場所など、「駐停車禁止場所」に車を停めていて追突された場合。
- 過失割合: 「そこに停まっていなければ事故は起きなかった」として、追突された側にも10%〜20%の過失が問われるのが基本です。
3. 夜間の無灯火での路上駐車
駐停車が禁止されていない道路であっても、夜間にハザードランプやテールランプ(車幅灯)を一切点けずに路上駐車をしていて追突された場合。
- 過失割合: 後続車が発見するのが非常に困難な状態を作ったとして、追突された側にも10%〜20%(状況によってはそれ以上)の過失が認められます。
「動いていた・止まっていた」の水掛け論
100対0の追突事故(もらい事故)で最も多いトラブルが、被害者は「完全に止まっていた」と主張しているのに、加害者が保険会社に「前の車も動いていた(だから100対0ではない)」と嘘の報告をするケースです。
相手の保険会社は、契約者(加害者)の言い分を優先するため、「動いていたのなら10%の過失があります」と平然と主張してきます。 これを覆すためには、ドライブレコーダーの映像などで「衝突の瞬間にスピードメーターが0km/hであったこと(完全に停止していたこと)」を証明しなければなりません。
もらい事故の交渉は弁護士に任せるのが鉄則
完全な「100対0」の追突事故であった場合、最大のデメリットは「自分の加入している保険会社が、相手との示談交渉を代行してくれない(法律上できない)」ということです。
首の痛み(むちうち)に苦しみながら、百戦錬磨の相手の保険会社担当者と被害者ご自身で直接交渉しなければならず、精神的なストレスは計り知れません。また、慰謝料も「自賠責基準」に近い低い金額で丸め込まれてしまうのがオチです。
このような事態を防ぐ最強のカードが「弁護士費用特約」です。ご自身の自動車保険にこの特約が付いていれば、自己負担ゼロで夕陽ヶ丘法律事務所の弁護士に交渉のすべてを丸投げすることができます。追突事故の被害に遭われたら、まずは特約の有無をご確認の上、すぐに当事務所へご相談ください。裁判基準での最高額の慰謝料を獲得いたします。