「過失相殺(かしつそうさい)」の罠:賠償金が大きく削られる計算式のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 過失20%で自分・相手の相殺計算。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
2020年4月の民法改正に伴う最新の法定利率(年3%)や適正な慰謝料計算基準に沿って対応することで、賠償額が増額する可能性が高まります。妥協される前に、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。
交通事故の被害に遭った際、加害者の保険会社から提示された示談金を見て、「なぜこんなに金額が減らされているのだろう」と疑問に思ったことはありませんか。その大きな原因の一つが「過失相殺(かしつそうさい)」です。
過失相殺は、交通事故の被害者にも何らかの落ち度(過失)があった場合に、その割合に応じて受け取れる損害賠償額を減額する仕組みです。この仕組みを正しく理解していないと、保険会社の計算通りに納得がいかないまま示談に応じ、数百万単位の損をしてしまう恐れがあります。
今回は、過失割合が及ぼす損害賠償への影響と、具体的な計算式について交通事故専門弁護士が分かりやすく解説します。
過失相殺とは何か?基本的な仕組みと計算の前提
交通事故では、必ずしも一方が100%悪いというケースばかりではありません。お互いの前方不注意や一時停止無視など、被害者側にも一定の不注意(過失)が認められることがよくあります。
この過失の度合いを数値化したものが「過失割合」です。例えば、赤信号で停車中に追突されたような「被害者の過失が完全にゼロ(100対0)」の事故を除き、多くの事故では被害者側にも10%〜30%程度の過失が認められることがあります。
損害賠償額から「過失割合分」が引かれる
過失相殺の基本的な考え方は、「被害者も損害発生の原因を作ったのだから、その責任の割合(%)に応じて、加害者側に請求できる金額を減らそう」というものです。
法律上の公平性を保つための制度ですが、保険会社が提示する過失割合が必ずしも適正であるとは限りません。警察の作成する実況見分調書や事故現場の状況をもとに、適正な割合を見極める必要があります。
「過失20%」で具体的にどう削られる?相殺計算のシミュレーション
では、実際に過失割合が「20%」だった場合、損害賠償金はどのように計算されるのでしょうか。具体的な数字を使って、ご自身と相手の損害額がどのように相殺されるのかを見ていきましょう。
基本的な計算式のイメージ
総損害額が1,000万円、被害者側の過失が20%、加害者側の過失が80%(過失割合 80対20)の事故を想定します。
- 被害者の損害額: 1,000万円
- 被害者の過失割合: 20%
この場合、単純計算すると被害者が受け取れる金額は以下のようになります。
1,000万円 × (100% - 20%) = 800万円
このように、自身の過失がわずか20%であっても、総額から200万円(20%分)もの大金が差し引かれることになります。これが過失相殺の大きな罠です。
双方に損害が発生している場合の「相殺計算」
さらに複雑なのは、自分も相手も車を運転しており、双方にケガや車の修理費(損害)が発生しているケースです。
- あなた(被害者)の損害額: 200万円(過失20%)
- 相手(加害者)の損害額: 100万円(過失80%)
この場合、それぞれの損害額に対してお互いの過失割合を掛け合わせて相殺計算を行います。
- あなたが相手に請求できる額:100万円 × 80% = 80万円
- 相手があなたに請求できる額:200万円 × 20% = 40万円
これらを相殺すると、最終的にあなたが相手から受け取れる金額は「80万円 - 40万円 = 40万円」となります。
自身の損害が200万円あったにもかかわらず、最終的な手取りが40万円まで減ってしまうため、被害者にとっては非常に納得がいかない結果になりがちです。
過失相殺の罠から身を守るための重要なポイント
保険会社は、自社の支払額を抑えるために、被害者側にとって不利な過失割合を最初から提示してくることが少なくありません。この不当な過失相殺から身を守るためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
提示された過失割合をそのまま鵜呑みにしない
保険会社から「今回は80対20の過失割合になります」と提示されたとしても、それをすぐに承諾してはいけません。事故当時の状況を詳細に振り返り、相手のスピード違反や前方不注意がもっと大きかったはずだと主張できる余地がないか検討しましょう。
専門家である弁護士に相談する
過失割合の交渉は、過去の裁判例や類似の事故データに基づいた高度な専門知識が必要です。保険会社と個人で交渉しても、相手が納得しないケースがほとんどです。
- 適正な過失割合への修正交渉
- ドライブレコーダーや目撃証言の収集・分析
- 裁判基準(弁護士基準)による慰謝料・賠償金の増額
交通事故に強い弁護士に早い段階で相談・依頼することで、過失相殺による大幅な減額を防ぎ、本来受け取るべき適正な損害賠償金を確保することが可能になります。納得がいかない示談を迫られている場合は、泣き寝入りする前に、ぜひ専門家である弁護士の無料相談などを活用してみてください。
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