追突された被害者に「急ブレーキ」の過失が問われる条件のポイント
交通事故にあわれた際、相手方保険会社との交渉や各種手続において以下のポイントを把握しておくことが極めて重要です。
- 危険防止以外の不要なブレーキ。
弁護士基準(裁判所基準)での適正解決に向けて
交通事故の被害では、保険会社の提示額(自賠責基準や任意保険社内基準)と、裁判所や弁護士が適用する弁護士基準(裁判所基準)との間に大きな乖離が存在するケースが多々あります。
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追突事故の被害に遭った際、「あなたにも急ブレーキを踏んだ過失(落ち度)がある」と加害者側の保険会社から主張され、納得がいかない思いをしたことはありませんか。
追突事故は原則として後ろから追突した加害者の責任が圧倒的に重いものですが、被害者側の運転行動によっては過失割合が修正されるケースがあります。特に「急ブレーキ」をめぐるトラブルは交通事故の実務において非常に多く見られます。
本記事では、追突被害者に急ブレーキの過失が問われる具体的な条件や、その法的根拠について交通事故専門弁護士が分かりやすく解説します。
追突事故における基本的な過失割合の考え方
交通事故の過失割合は、過去の裁判例をベースにした「別冊判例タイムズ」などの基準を参考に決まります。
一般的な追突事故では、前を走る車両(被害者)と後ろから追突した車両(加害者)の過失割合は「0対100」(被害者ゼロ)になることが基本です。後ろを走る車には、前方不注意や車間距離保持義務違反があるためです。
しかし、この基本原則が常に適用されるとは限りません。被害者側の運転に問題があった場合、例外的に被害者側にも過失が認定されることがあります。その代表的な要因の一つが「急ブレーキ」です。
被害者に「急ブレーキ」の過失が問われる3つの条件
追突された被害者側に過失が問われるのは、どのような状況下でしょうか。主に以下の3つの条件が揃った場合に、過失割合が修正されることになります。
1. 「危険防止のため」という正当な理由がないこと
道路交通法では、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、急に停止しまたはブレーキをかけてはならないと定められています。
つまり、以下のような「不要な理由」で急ブレーキを踏んだ場合は、法令違反とみなされ過失が問われやすくなります。
- 道を間違えて慌てて止まった
- 腹が立ったので後続車を威嚇する目的でブレーキを踏んだ
- 前方に大した障害物がないのに過剰に反応して急停止した
2. 急ブレーキを踏む必要性が客観的に認められないこと
主観的に「危ないと思った」という理由だけでは、法的な正当性は認められません。客観的な状況証拠に照らし合わせ、その急ブレーキが本当に必要不可欠なものだったかどうかが判断されます。
例えば、前方の車がすでに安全に通過している小さな障害物に対して過剰に急ブレーキを踏んだ場合などは、「不要な急ブレーキ」と判断されるリスクが高まります。
3. 後続車が避けられないタイミングであったこと
仮に急ブレーキに正当な理由がなかったとしても、後続車が十分な車間距離をとっており、物理的に避ける余裕があったのであれば、追突した側の責任が重くなります。
しかし、不必要な急ブレーキによって後続車が避ける余裕を完全に奪ってしまった場合は、被害者側にも「予期せぬ危険をつくり出した責任」があるとして、過失相殺(10〜30%程度)が行われることがあります。
正当な急ブレーキと認められるケースとは?
一方で、以下のような状況での急ブレーキはドライバーの義務として当然の行為であり、被害者側の過失に問われることはありません。
- 歩行者や自転車が突然飛び込んできた場合
- 前走車が急停止したため、追突を避けるためにやむを得ずブレーキを踏んだ場合
- 落下物や動物などが突然道路に現れた場合
これらはすべて「危険防止のためのやむを得ない措置」にあたるため、万が一追突されたとしても、被害者の過失はゼロ(0対100)となります。
保険会社から急ブレーキの過失を主張されたときの対処法
加害者側の保険会社は、支払う賠償金を少しでも減らすために、「あなたにも急ブレーキの過失があった」と主張してくることがよくあります。
もしご自身のブレーキに正当な理由があった(前方の危険回避など)のであれば、安易に相手の主張を受け入れてはいけません。
- ドライブレコーダーの映像を保存・提出する
- 目撃者の証言や現場の状況を記録しておく
- 交通事故に強い弁護士に相談して適正な過失割合を交渉してもらう
このように、客観的な証拠をもって正当性を証明することが極めて重要です。不要な過失を押し付けられないよう、納得がいかない場合は専門家である弁護士へ早めに相談することをおすすめします。
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