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カルテの保存期間「5年」の壁:古いカルテが廃棄されている場合の対応策

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「医療法の保存期間5年を過ぎてカルテが廃棄されている場合、B型肝炎の給付金は諦めるしかないですか?」
A 【代替資料の活用で立証可能です】医療法上の保存義務によりカルテが廃棄されていても、レセプト(診療報酬明細書)、看護記録、健康診断の結果、紹介状、母子健康手帳などの代替資料を組み合わせることで、B型肝炎ウイルスへの感染事実や病態を証明できる可能性があります。
【専門弁護士による証拠収集のサポートが不可欠です】カルテがない状況での訴訟では、どのような代替資料が裁判所に認められるかの法的な判断と、医療機関への的確な資料開示請求が求められます。自己判断で諦めず、まずはB型肝炎訴訟に精通した弁護士に相談し、残存する記録の調査を依頼することをおすすめします。

カルテの保存期間と「5年の壁」とは

B型肝炎訴訟(給付金請求)において、ご自身の病状や初診日、他の原因による肝障害ではないことを証明するために、医療機関の「カルテ(診療録)」は非常に重要な証拠となります。しかし、ここで多くの方が直面するのが「カルテの保存期間」という問題です。

医療法において、カルテの保存義務期間は「最後の診療の日から5年間」と定められています。そのため、過去に通院していた病院にカルテの開示請求を行っても、「すでに保存期間が経過しており、廃棄してしまった」と回答されるケースが少なくありません。これがB型肝炎訴訟における「5年の壁」と呼ばれる問題です。

カルテが破棄されている場合の代替資料

カルテが破棄されていたからといって、給付金の請求を諦める必要はありません。カルテそのものがなくても、以下のような代替資料によって病状や通院の事実を証明できる可能性があります。

1. 看護記録や検査結果の控え

医療機関によっては、医師のカルテ(医師記録)は廃棄していても、看護師が記載する看護記録や、血液検査・画像検査のデータだけが別のシステムや別ファイルで残されている場合があります。これらがカルテの代わりとして認められることがあります。

2. レセプト(診療報酬明細書)

医療機関が健康保険組合などに医療費を請求するために作成する「レセプト」も、有力な証拠となり得ます。レセプトには、どのような病名でどのような治療や検査が行われたかが記載されています。

3. 他の病院への紹介状(診療情報提供書)

転院をしたことがある場合、前の病院から次の病院宛てに書かれた「紹介状(診療情報提供書)」が転院先の病院のカルテに残っていることがあります。

諦めずにまずは専門家にご相談を

「古いカルテがないから」とご自身で判断し、請求を諦めてしまうのは非常にもったいないことです。 B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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