【対策】しかし、Ae型であることのみをもって直ちに和解が不可能となるわけではありません。母子感染の否定や、集団予防接種の事実を裏付ける他の証拠を総合的に検討し、国との和解交渉を行う余地があります。まずはB型肝炎訴訟に精通した弁護士へご相談ください。
Q:自分のウイルスの型が「ジェノタイプAe型」だと判定された場合、絶対に和解できませんか? についての解説
B型肝炎ウイルスのジェノタイプ(遺伝子型)検査は、感染時期を推定するための重要な証拠の一つです。特に「Ae型」と判定された場合の対応について、正確な法解釈を解説します。
疑問への回答・詳細解説
ジェノタイプAe型は、日本国内では比較的新しく流入したタイプであり、成人以降の感染例が多いとされています。そのため、国はAe型であることを理由に、幼少期の集団予防接種による感染を否定する主張を行うことが一般的です。
なお、ジェノタイプ検査自体が免除される制度は存在しません。過去の古い医療記録が存在する場合であっても、国は感染時期や感染経路を特定するためにジェノタイプ検査の結果を求めてきます。したがって、古いデータがあれば検査が免除されるという事実は誤りです。
しかし、Ae型であっても、以下の要素を総合的に立証することで、集団予防接種による感染が認められ、和解に至るケースは存在します。
- 母子感染の否定:母親がHBs抗原陰性であること、あるいは年長きょうだいが全員HBs抗原陰性であること等の証拠を提出し、母子感染の可能性を排除する。
- 集団予防接種の事実:対象期間(昭和23年7月1日〜昭和63年1月27日)に集団予防接種を受けた事実を、母子健康手帳や予防接種台帳等で立証する。
- その他の感染経路の否定:輸血や刺青、医療行為など、他の感染原因が存在しないことを主張する。
専門家への相談をお勧めする理由
B型肝炎給付金制度における和解要件は非常に専門的であり、個別の事案ごとに証拠の評価が異なります。特にジェノタイプAe型のように、国から感染経路を争われるケースでは、高度な法的立証能力が求められます。
特措法に基づく提訴期限は2027年3月31日までと定められています。期限を過ぎると給付金を受け取ることができなくなるため、少しでも不安がある場合は、早急にB型肝炎訴訟に精通した弁護士へ相談することをお勧めします。
また、無症候性キャリアとして和解が成立した後、万が一慢性肝炎や肝がん等へ病態が進行した場合には、追加給付(差額支給)を請求することが可能です。さらに、20年経過後の無症候性キャリアの方には、年2回の定期検査費用助成や、同居家族への世帯内感染防止のためのワクチン接種費用助成制度(社会保険診療報酬支払基金による実施)も用意されています。これらの制度を正しく活用するためにも、専門家の助言を得ることが重要です。

