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弁護士業務の流れ

付郵便送達と、現地調査

2023/03/24 更新

訴状の送達

(1)訴状等の送達は、郵便局の人が被告宅に訪れて、被告宅の住人に直接渡すのが原則です。

(2)被告宅が留守の場合には、郵便局の人が不在票を置いていきます。この場合、被告が訴状を受け取らないと送達されていないことになります。

(3)訴状等が送達されないと、訴訟が始められません。

付郵便送達

(1)付郵便送達では、原告の弁護士(の事務員)が、被告宅を訪れて近所の人に聞く等して、「被告がそこに住んでいる」ことを確認し、そのことを裁判所に上申(報告)します。

(2)上記の報告書がある場合には、裁判所は訴状を被告方のポストに投函するだけで、訴状を送達したものとして扱います。

(3)不郵便送達をするには、被告宅を訪れて近所の人に聞く等する現地調査が必要になります。

(不郵便送達)現地調査のための準備

(1)住民票の取得

 被告が個人であれば、被告の住民票を取得して住所を確認します。

 被告が法人であれば、法人の代表者個人の住民票を取得して住所を確認します。

(2)住所の特定

 現地に行ってたが、「被告の住所」の家がどれか分からない場合があります。

 会社が被告の場合には、グーグルマップ等で、お店の看板を先に確認しておきましょう。

 住宅の場合には住宅地図で事前に確認した方がよいでしょう。
 ゼンリンの住宅地図は、コンビニで300円で取得できます。

 マンションや、ビルの一室の場合には、ビル名を確認して、ネット検索しておきましょう。

(3)オートロックのマンション

 マンションの場合には、事前に、オートロックのマンションかどうかを確認しておいた方がよいでしょう。

 オートロック型のマンションでは、敷地内に入れません。隣の部屋の人にヒアリングするしか方法がないかもしれません。

現地調査と持ち物

(1)持ち物は、以下のとおりです。

 ①内容証明のコピー
 ②訪問のお手紙

 被告が不在の場合には、訪問の手紙と、(示談交渉で用意していた)内容証明のコピーをクリアファイルに入れてこれをポスト等に置いておきます。被告が訪問に驚いて電話をかけてくることもあり、これで所在を確認できることがあります。

 ③名刺・身分証

 近隣にお話を聞くにも、身分証がないと不審がられます。近所の人から「何をしているのですか。」と聞かれることもあります。
 大阪弁護士会では、事務員にも、身分証を発行しています。弁護士もしくは、身分証を持った方が良いでしょう。

 ④付郵便送達の報告書

  報告書のフォーマットを持って行くと、何調べるべきか確認できます。

 ⑤スマホ

  写真撮影はスマホで十分です。

書式(訪問のお手紙)

 https://yuhigaoka-law.com/wp-content/uploads/2023/03/45874ce295c6665d4984e1d29ecc0b62.docx

書式(付郵便送達の報告書)

 https://yuhigaoka-law.com/wp-content/uploads/2023/01/d78073c1a2bf402f703c989835745a49.docx

現地調査と撮影

(1)表札、郵便物、洗濯物、電気、ガス、水道、ポストの写真を撮影する。

(2)不郵郵便送達の報告書に、写真を添付する必要はありませんが、メモ代わりに各写真を撮影しておけば便利です。

現地調査とヒアリング

(1)被告宅のヒアリング
 被告宅の呼び鈴を押して、被告もしくは家族が出てくれば、「●●さんは、いますか。」と聞きます。

 「●●さんは、ご在宅ですか。」と聞きます。

 「●●さんは、何時ころこの家に帰ってきますか。」「どれくらいの頻度でこの家に帰ってきますか。」と聞きます。

 「●●さんは、どこに行ったのか分かりますか。」と聞きます。

 「●●さんの家族は、奥さんとお子さんとで暮らしているのですか。」と家族構成を聞きます。

  これは、近所で話を聞くときに、「隣のお父さんを最近見ましたかか。」と聞くためです。

(2)近隣宅のヒアリング
 居留守を使っておられる可能性がありますので、近居の話を聞くことが必要です。
 もちろん、家族が被告が居住していることを認めた場合には不要です。プライバシーの問題もあるので、必要性を欠くような調査をしてはなりません。

 「隣の●●さんですが、お父さんを最近見かけたことはありますか。」と聞きます。
 「隣の●●さんですが、最近引っ越しされたりしましたか。」と聞きます。
 「隣の●●さんですが、何時ごろ、自宅に帰って来られますか。」「昼間は留守ですか。」「何時ごろであれば、在宅されていますか。」

(3)事前説明とヒアリング

 プライバシーの問題もありますので、必要性を欠くような事前説明はしてはなりません。しかし、調査をする上で最低限の説明が必要です。

 「●●法律事務所の弁護士の●●です。」

 「法律事務所のものであることは、HPで確認できますので、もし不振がある場合には、電話をしていただいて、●●が所属しているか聞いてもらっても構いません。」

 「訴訟手続には、付郵便送達という制度があります。」「訴状を被告が受け取ってもらえない場合に、『被告がそこに住んでいる』ことを確認しそのことを報告します。その報告書を前提に、裁判所が郵便ポストに訴状を郵送することで裁判をスタートさせる制度です。」「なお、裁判を始めるための調査であって、被告となる人が何らかの義務違反をしているかは確定していません。」「また、裁判の中身についてもプライバシーの問題があるので答えられません。」「本日は、●●さんが、ここに住んでいるかを確認して裁判所に報告するために来ました。」

ポスト

(1)現地まで来ているのですから、裁判外として催促をしてもよいでしょう。

(2)被告が不在の場合には、訪問の手紙と、(示談交渉で用意していた)内容証明のコピーをクリアファイルに入れてこれをポスト等に置いておきましょう。

付郵便送達の報告書の作成

(1)撮影した写真は日付と撮影場所を入れて、パソコンに必ずダウンロードします。

 パソコンに入れて、日付や撮影場所をメモしておかないと、後日、どの写真が不明になります。

(2)不郵便の報告書を作成します。(なお、写真の添付までは必要ありません。)

よくあるQ&A

Q 夜遅くの調査は可能ですか。

A 特に制限はないですが、常識的には午前8時~夜9時までの時間にすべきでしょう。

 また、夜になると暗くなって、洗濯物等が確認できません。午後6時までには、調査を終えた方がよいでしょう。

Q 他人の写真を撮っていたら、近所の人に「何をしているのか。」と聞かれました。どうしたらよいでしょう。

A プライバシーの問題もあります。必要以上の説明をすることは避けるべきです。

 「●●法律事務所の弁護士の●●です。」

 「法律事務所のものであることは、HPで確認できますので、もし不振がある場合には、電話をしていただいて、●●が所属しているか聞いてもらっても構いません。」

 「訴訟手続には、付郵便送達という制度があります。」「訴状を被告が受け取ってもらえない場合に、『被告がそこに住んでいる』ことを確認しそのことを報告します。その報告書を前提に、裁判所が郵便ポストに訴状を郵送することで裁判をスタートさせる制度です。」「なお、裁判を始めるための調査であって、被告となる人が何らかの義務違反をしているかは確定していません。」「また、裁判の中身についてもプライバシーの問題があるので答えられません。」「本日は、●●さんが、ここに住んでいるかを確認して裁判所に報告するために来ました。」

 トラブルを避けるためにも、事務員の身分証を必ず持参しましょう。

Q オートロックのマンションの場合に、どうやって調査したらよいのか。

A オートロックマンションの場合には敷地内に入れません。まずは、ポストや、電気メータ等が外から確認できないのであれば、そのことをメモに残しておきます。時間帯を変えて在宅の可能性が高い夜の時間に調査するしかないかもしれません。現実的には、被告方及び、隣の部屋の呼び鈴をヒアリングして出直すのが現実的でしょう。

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