この記事の要点まとめ
5つの臨床指標(脳症、腹水、ビリブリン、アルブミン、プロトロンビン)のスコア計算実務。
Child-Pughスコアを構成する5つの臨床指標とは
B型肝炎訴訟において「重度肝硬変」と認定されるための重要な基準となるのが「Child-Pugh(チャイルド・ピュー)分類」です。この分類は、肝臓の機能がどの程度残されているか(予備能)を客観的に評価するための国際的な基準として、臨床の現場でも広く用いられています。
この記事では、Child-Pughスコアを計算する際に用いられる5つの具体的な項目(脳症、腹水、ビリルビン、アルブミン、プロトロンビン)について、それぞれの意味や点数計算の実務を分かりやすく解説いたします。
5つの評価項目とスコア計算の仕組み
Child-Pugh分類では、以下の5つの項目について、検査結果や症状の程度に応じて「1点」「2点」「3点」のスコアを割り当てます。これらの合計点数(5点〜15点)によって、肝硬変の重症度が判定されます。合計が10点以上になると「重度肝硬変」の認定要件の一つを満たす可能性があります。
1. 血清アルブミン値
アルブミンは、肝臓で合成されるタンパク質の一種です。肝機能が低下すると、このアルブミンを十分に作り出すことができなくなり、血液中の数値が低下します。
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3.5 g/dL 超:1点
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2.8 〜 3.5 g/dL:2点
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2.8 g/dL 未満:3点
2. プロトロンビン時間(PT)
プロトロンビン時間は、血液が固まるまでの時間を評価する指標です。血液を固めるための凝固因子は肝臓で作られるため、肝機能が悪化すると血液が固まりにくくなり、プロトロンビン時間の延長(活性の低下)が見られます。
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延長が4秒未満(または活性度70%超):1点
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延長が4〜6秒(または活性度40〜70%):2点
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延長が6秒超(または活性度40%未満):3点
3. 血清ビリルビン値
ビリルビンは、古くなった赤血球が分解される際に生じる黄色い色素です。正常な肝臓はビリルビンを処理して胆汁として排出しますが、肝機能が低下すると血液中に蓄積し、黄疸(おうだん)の原因となります。
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2.0 mg/dL 未満:1点
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2.0 〜 3.0 mg/dL:2点
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3.0 mg/dL 超:3点
(※原発性胆汁性胆管炎などの場合は基準値が異なります)
4. 腹水の有無と程度
肝硬変が進行すると、血液中のアルブミン低下や門脈圧の亢進により、お腹に水がたまる「腹水」が生じやすくなります。
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なし:1点
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軽度(または利尿薬でコントロール可能):2点
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中等度以上(またはコントロール難治):3点
5. 肝性脳症(昏睡度)の有無と程度
肝臓で解毒されるはずのアンモニアなどの有害物質が血液中に蓄積し、脳に影響を及ぼすことで生じる意識障害や精神症状です。
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なし:1点
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軽度(昏睡度Ⅰ〜Ⅱ度):2点
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重度(昏睡度Ⅲ〜Ⅳ度):3点
検査数値の正確な把握が認定への第一歩です
このように、Child-Pughスコアは血液検査の数値(アルブミン、ビリルビン、プロトロンビン)と、医師の診察による所見(腹水、脳症)を総合して計算されます。B型肝炎給付金の請求においては、これら5つの項目が正確に記載された医療記録を提出し、重度な状態であることを証明する必要があります。
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