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肝がんが破絶・完治した後の経過観察期間における給付金金額と病態の確定

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「肝がんが破裂・完治して現在は経過観察中ですが、過去の病気としてB型肝炎給付金の最高額3,600万円を受け取ることはできますか?」
A 【受給の結論】手術やラジオ波焼灼術(RFA)などで肝がんが消退し、現在は経過観察中であっても、過去に肝がんに罹患した医学的事実がカルテ等の証拠で証明できれば、最も重い病態として最高3,600万円の給付金を受給することが可能です。
【手続きのポイント】当時の治療記録や診断書の収集が必要となるため、B型肝炎訴訟に精通した弁護士に相談し、正確な病態認定とスムーズな請求手続きを進めることが重要です。

肝がんが「完治」していても給付金は減額されません

B型肝炎訴訟において、過去に「原発性肝がん」を発症したことがある方は、重度肝硬変と同じく最高額である3,600万円の給付金の対象となります。

ここで多くの方が疑問に思われるのが、「手術や治療が成功して、現在はがんが完全に消えている(完治している)場合でも、最高額がもらえるのか?」という点です。

この記事では、肝がんが消退し、その後の経過観察期間にある方の給付金額の取り扱いと、病態の確定ルールについて解説いたします。

「過去の罹患(発症)事実」が評価されます

結論から申し上げますと、現在がんが消退(完治)していたとしても、給付金額が減額されることはありません。過去に肝がんを発症したという客観的な事実(罹患事実)が証明できれば、3,600万円の給付金を受け取ることができます。

B型肝炎給付金は、ウイルスに感染させられたことによって、患者様がこれまでに被った多大な肉体的・精神的苦痛に対して支払われる損害賠償の性質を持っています。したがって、「現在のがんの有無」ではなく、「がんという重篤な病気を発症し、過酷な治療を余儀なくされた」という過去の事実そのものが最大限に評価されるのです。

手術やラジオ波焼灼術(RFA)などで治療済みの場合

肝がんの治療には、以下のような様々な方法があります。

  • 肝切除術(手術でがんを取り除く)

  • ラジオ波焼灼術(RFA:針を刺して熱でがん細胞を焼く)

  • 肝動脈化学塞栓療法(TACE:がんへ栄養を送る血管を塞ぐ)

  • 薬物療法(抗がん剤・分子標的薬など)

これらの治療によって、画像検査でがんの影が完全に消え、医師から「根治しました」「今は経過観察だけで大丈夫です」と言われている状態であっても、当時の治療記録や病理検査・画像検査のレポートを提出することで、原発性肝がんとしての認定が可能です。

過去の「確定診断」の証拠が鍵となります

給付金を請求するためには、単に「昔、がんで治療した」という患者様の記憶や申告だけでは不十分です。「確かにあの時期に、B型肝炎に起因する原発性肝がんが存在した」ことを国に証明しなければなりません。

そのためには、治療を行った当時の以下の記録が必要です。

  1. 病理組織診断書(手術などで切除した組織の顕微鏡検査結果)

  2. 画像診断報告書(造影CTやMRIなどでがんの特徴的な血流を確認したレポート)

  3. 退院サマリーや手術記録

これらの客観的な医療記録が揃って初めて、国との和解が成立します。

証拠散逸のリスクを避けるために

がんの治療から長い年月が経過している場合、当時のカルテや検査レポートが病院で破棄されてしまっているリスクがあります(カルテの法定保存期間は5年です)。完治して安心されている方こそ、早急に当時の記録を確保する手続きを始めることが重要です。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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