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過去に慢性肝炎と診断されたが現在は肝機能数値が正常(ALT正常)な場合の病態認定

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「現在ALTの数値が正常で薬を飲んでいても、過去に慢性肝炎と診断されていれば1,250万円のB型肝炎給付金の対象になりますか?」
A 【受給の可能性と要件】現在肝機能の数値が落ち着いていたり核酸アナログ製剤などで治療中であっても、過去のカルテや検査データから慢性肝炎の発症が医学的に証明できれば、最高1,250万円の給付金請求の対象として認められます。
【対策と専門家への相談】病態認定には当時の詳細な医療記録が必要不可欠となるため、まずは弁護士などの専門家に相談し、過去のカルテ収集や証拠精査を進めることが受給への確実な第一歩となります。

現在の数値が正常でも給付金の対象になる可能性があります

「昔は肝臓の数値が悪くて慢性肝炎と言われていたけれど、今は薬を飲んでいるから数値は安定している」「現在はALTなどの数値が正常なので、給付金はもらえないのではないか」とお悩みの方から、よくご相談をいただきます。

結論から申し上げますと、現在、肝機能の数値が正常範囲内に落ち着いていたとしても、過去に「慢性肝炎」を発症していた事実を証明できれば、1,250万円(発症からの期間によっては300万円または150万円)の給付金を請求することが可能です

この記事では、過去の病態に基づく給付金認定の仕組みと、核酸アナログ製剤などを服薬中の方の取り扱いについて解説いたします。

「過去の最も重い病態」で認定されるルール

B型肝炎訴訟における給付金の金額は、原則として「過去から現在に至るまでの間で、最も重かった時の病態」を基準に決定されます。

つまり、現在は治療が功を奏してウイルス量が減少し、ALT(GPT)などの肝機能数値が正常になっていたとしても、「過去の特定の時期において、慢性肝炎の診断基準(例:6ヶ月以上間隔をあけた2時点でALTが異常値など)を満たしていた」という当時の医療記録(カルテや血液検査データ)を提出できれば、慢性肝炎としての認定を受けることができます。

病状が改善したからといって、無症候性キャリア(持続感染のみで発症していない状態)として低い給付金額(50万円等)にされてしまうわけではありません。

核酸アナログ製剤等で治療中・治療歴がある場合

特に注意が必要なのが、エンテカビルやテノホビルなどの「核酸アナログ製剤」や「インターフェロン」による抗ウイルス治療を行っている、あるいは過去に行っていた方です。

これらの治療は、ウイルスの増殖を抑え、肝炎の進行を食い止めるために行われます。言い換えれば、「これらの治療を開始した」という事実そのものが、「治療を必要とするほどの肝炎を発症していた」ことを強く示唆する証拠となります。

したがって、現在は薬のおかげで数値が正常であっても、治療を開始した当時の検査データやカルテを取り寄せることで、慢性肝炎(あるいはそれ以上の病態)を立証できる可能性が十分にあります。

過去のカルテは「保存期間」に要注意

過去の病態を証明する上で最大の壁となるのが、カルテの保存期間です。法律上、医療機関におけるカルテの保存義務は「最後の診療から5年間」と定められており、古い記録は破棄されてしまうリスクが常にあります。

「数値が落ち着いているから」と安心している間にも、過去の重要な証拠が失われてしまう可能性があるのです。

過去に肝炎と診断されたことがある方、現在治療中の方は、手遅れになる前に一日も早く証拠保全に動くことが重要です。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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