【対策:弁護士による専門的な立証が不可欠です】カルテの記載と実際の事実が異なる場合、主治医への照会や当時の状況を補足する陳述書の作成など、法的な論理構成が求められます。専門の弁護士が医学的資料を精査し、裁判所に対して説得力のある主張を行うことで、不備補正を乗り越え、給付金獲得に向けた道筋を整えることができます。
B型肝炎訴訟におけるカルテの「誤記」問題
B型肝炎訴訟において、給付金を受け取るためには「幼少期の集団予防接種等」が原因で感染したことを証明する必要があります。その際、最も重要な証拠となるのが医療機関のカルテ(診療録)です。
しかし、提出したカルテの中に「過去に輸血歴あり」「母親がB型肝炎である」といった、事実とは異なる記載(誤記)が見つかることがあります。これは、医師の聞き間違いや、別の患者の記録との混同、あるいは急いで記載したことによる単純なミスなどによって発生します。
このような誤記があると、国側から「集団予防接種以外に感染原因があるのではないか」と疑われ、追加の証明や不備の補正を強く求められることになります。
「過去に輸血歴あり」などの誤記に対する対応方法
もしカルテに「輸血歴あり」などの誤記が見つかった場合、そのまま放置してはいけません。適切な手順を踏んで、その記載が誤りであることを証明する必要があります。
1. 主治医からの「訂正意見書」の取得
最も有効な手段は、誤記を行った医療機関または当時の主治医に状況を説明し、「当時のカルテの記載は誤りであった」旨を記した「訂正意見書(または診断書)」を作成してもらうことです。医師が自らの記載ミスを認め、医学的な見地から訂正を行えば、国に対する有力な反論材料となります。
2. 当時の状況を説明する陳述書の作成
医師が退職している、あるいは医療機関が閉院していて訂正意見書がもらえない場合もあります。その場合は、ご自身やご家族から当時の詳しい状況を聞き取り、「実際には輸血を受けた事実はない」ことを説明する詳細な陳述書を作成します。例えば、「その時期に大きな怪我や手術をしたことは一度もない」「健康保険の利用履歴にもそのような大きな医療行為はない」といった周辺事実を積み重ねることで、カルテの記載が誤りである可能性が高いことを主張します。
補正手続きを進める上での注意点
カルテの誤記に対する補正は、感情的に「間違っている」と主張するだけでは認められません。客観的な証拠や論理的な説明が必要です。
当時の医療記録を隅々まで確認し、「他のページには輸血歴がないと書かれているのに、このページだけ不自然に書かれている」といった矛盾点を見つけ出すことも有効です。こうした細かな医療記録の精査や、説得力のある陳述書の作成は、専門的な知識と経験が求められます。
一人で悩まず、早い段階で専門家に相談することが、スムーズな解決への第一歩となります。
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