この記事の要点まとめ
提出した証拠の整合性チェック、カルテの記載ミスや他感染ルートの有無に対する指摘。
国による厳格な証拠の審査
B型肝炎訴訟は、一定の要件を満たす方に対して国が給付金を支払う制度です。しかし、国(被告である法務省・厚生労働省)は無条件に請求を認めるわけではありません。原告(被害者)から提出された証拠に対して、厳格な審査と指摘を行ってきます。
裁判の過程で、国側がどのような主張や指摘をしてくるのか、その実態について解説します。
提出された証拠と要件の「整合性チェック」
国が最も重視するのは、提出された書類が「給付金の支給要件を法的に満たしているか」という整合性です。 例えば、一次感染者の場合、「集団予防接種等を受けたこと」「それ以前に感染していないこと」などを証明する必要があります。国は提出された母子健康手帳、戸籍、血液検査の結果などを細かく照合し、要件に一つでも合致しない部分がないかを確認します。
カルテの記載内容に関する指摘
医療記録(カルテ)は極めて重要な証拠となりますが、国はカルテの記載内容に対しても厳しいチェックを行います。 よくある指摘として、「カルテの記載に矛盾や曖昧な点はないか」「病名の記載時期や診断の経緯は正確か」といった点が挙げられます。医師のカルテの書き方や記載漏れによって、要件を満たしているか疑義が生じた場合、国から追加の説明や医師の意見書の提出を求められることがあります。
「他の感染ルート」の有無に対する追及
B型肝炎ウイルスは、集団予防接種以外のルート(輸血、性交渉、入れ墨、針刺し事故など)でも感染する可能性があります。 そのため、国は「予防接種以外の原因で感染したのではないか?」という点(他の感染原因の有無)について、カルテの記録を隅々まで調べます。もしカルテ内に「輸血歴あり」や、他の感染を疑わせるような記載があった場合、国はそこを指摘し、給付の対象外であると主張してくることがあります。
弁護士による的確な反論と証拠の補強が重要
こうした国側の厳しい指摘に対しては、法的な知識に基づいた的確な反論や、追加の証拠による補強が必要です。 弁護士が代理人となることで、国がどのような点を指摘してくるかを事前に予測し、あらかじめ必要な証拠を整えたり、不合理な主張に対しては医学的・法的な根拠をもって反論したりすることが可能になります。
まとめ
裁判の相手である国は、国民の税金を原資とする給付金を支払う立場として、厳格な審査と指摘を行ってきます。しかし、事前にしっかりと証拠を精査し、適切な対応をとることで、和解を勝ち取ることができます。
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