この記事の要点まとめ
6ヶ月以上の間隔をあけた連続2時点でのHBs抗原陽性確認、またはHBe抗原陽性による持続感染立証。
HBs抗原・HBs抗体とは?B型肝炎検査の基本
B型肝炎ウイルスへの感染の有無を調べる際、最も基本となるのが血液検査による「HBs抗原」と「HBs抗体」の確認です。 「HBs抗原」は、ウイルスの表面を覆っているタンパク質を指します。この数値が陽性である場合、現在体内にB型肝炎ウイルスが存在していることを意味します。 一方、「HBs抗体」は、ウイルスを体内から排除するために作られた免疫物質(抗体)です。こちらが陽性となっている場合は、過去にB型肝炎ウイルスに感染したものの現在は治癒している、あるいはワクチン接種によって免疫を獲得している状態を示しています。 B型肝炎訴訟において国に給付金を請求するためには、過去に感染したことがあるという事実だけでは不十分であり、ウイルスが長期間にわたって体内に留まり続けている「持続感染」の状態であることを医学的に証明する必要があります。
B型肝炎訴訟における「持続感染」の証明とは
B型肝炎訴訟(B型肝炎給付金請求)の対象となるのは、幼少期(満7歳になるまで)の集団予防接種やツベルクリン反応検査における注射器の連続使用によってウイルスに感染し、それが「持続感染」となっている方です。 成人後に感染したB型肝炎の多くは一過性の感染で終わり、数ヶ月でウイルスが体内から排除されて治癒します。そのため、訴訟においては「一過性の感染ではなく、持続的にウイルスが体内に存在し続けていること」を法的な基準に則って客観的に立証しなければなりません。 そのための代表的な医学的証明要件が、以下のいずれかの条件を満たす血液検査結果を提出することです。
1. 6ヶ月以上の間隔をあけた連続2時点でのHBs抗原陽性
持続感染を証明する最も確実で一般的な方法は、「6ヶ月以上の間隔をあけて実施された2回の血液検査において、いずれもHBs抗原が陽性であること」を示す記録を用意することです。 人間の体の仕組みとして、一過性の感染であれば数ヶ月以内に免疫反応によってウイルスが排除されます。したがって、6ヶ月以上の期間を空けてもなおHBs抗原が陽性であり続けているという事実は、ウイルスが長期間体内に住み着いている(持続感染している)ことの決定的な医学的証拠として認められます。
2. HBe抗原の陽性結果による立証
もし、6ヶ月以上の間隔を空けた2回の検査結果が手元にない場合でも、「HBe抗原が陽性」であることを示す検査結果があれば、持続感染を立証できる場合があります。 「HBe抗原」とは、B型肝炎ウイルスが体内で活発に増殖している時期に血液中に現れる物質です。このHBe抗原が陽性である状態は、ウイルスが持続的に活動・増殖していることを強く示唆する医学的所見であるため、これ単独でも持続感染を裏付ける有力な証拠として扱われることがあります。
過去の検査記録が見つからなくても諦めないでください
「昔の検査結果の用紙を捨ててしまった」「当時の病院に問い合わせたが、カルテの保存期間が過ぎており破棄されていた」とお悩みの方も少なくありません。 しかし、過去の記録が完璧に揃っていなくても、現在の血液検査(HBc抗体の高力価など)を新たに受けることで持続感染を証明できるケースが多く存在します。また、母子手帳の記載内容やその他の健康診断記録など、さまざまな客観的資料をパズルのように組み合わせることで要件を満たせる場合もあります。 ご自身の状況でどのような資料が必要になるのか、専門的な知識に基づく判断が重要です。
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