この記事の要点まとめ
持続感染を示す高力価の測定法別基準値(CLEIA法、EIA法90%以上等)、一過性感染(低力価)との違い。
HBc抗体とは?持続感染を証明するための重要な指標
B型肝炎訴訟において、国から給付金を受け取るためには、ウイルスが長期間体内に留まり続けている「持続感染」の状態であることを医学的に証明する必要があります。その証明手段の一つとして非常に重要な役割を担うのが、「HBc抗体」の検査結果です。 「HBc抗体」とは、B型肝炎ウイルスの中心部分(コア)に対して作られる抗体のことです。HBs抗原が「現在、体内にウイルスが存在しているか」を示す指標であるのに対し、HBc抗体は「過去を含めて、これまでにB型肝炎ウイルスに感染したことがあるか」を示す指標となります。 B型肝炎訴訟の手続きにおいてポイントとなるのは、単にHBc抗体が陽性であるという事実だけでなく、その「数値の高さ(力価)」です。検査数値が一定の基準を上回る「高力価」であることが、持続感染を裏付ける重要な証拠として扱われます。
「高力価(持続感染)」と「低力価(一過性感染)」の違い
HBc抗体の数値が高い(高力価)場合、それは幼少期などの早い段階でウイルスに感染し、長期間にわたってウイルスと共存してきた「持続感染」であることを強く示唆しています。 一方で、数値が低い(低力価)場合は、成人になってから感染し、すでに自身の免疫力によってウイルスが排除された「一過性感染」の治癒後であると医学的に判断されます。 B型肝炎給付金は、満7歳までの集団予防接種等を原因とする持続感染者を救済するための制度です。そのため、一過性感染ではなく持続感染であることを示す「HBc抗体の高力価」の証明が不可欠となるのです。
測定法別に見る「高力価」の判定基準(カットオフ値)
HBc抗体の数値を測定する方法にはいくつかの種類があり、どの測定法を用いたかによって「高力価」と判定されるための基準値(カットオフ値)が異なります。国が定めている主な基準は以下の通りです。
1. CLEIA法(化学発光酵素免疫測定法)または CLIA法
現在、医療機関で最も一般的に用いられている精度の高い検査方法です。この測定法において、HBc抗体の数値が10.0 S/CO 以上(または 10.0 C.O.I 以上)であれば、高力価(持続感染)であると判定されます。
2. EIA法(酵素免疫測定法)
過去に広く行われていた検査方法です。この方法では、数値が90% 以上(阻害率)であるか、あるいは判定結果として++(ツー・プラス)といった高い数値が記録されている場合に、高力価の基準を満たしていると認められます。
3. PHA法(受身血球凝集反応法)
古い時代のカルテや検査記録などで見られることがある手法です。この測定法では、200倍 以上という数値が記録されていれば、高力価であると判断されます。
検査記録の見方がわからない場合は専門家へ
お手元にある血液検査の用紙や過去のカルテを見ても、「どの測定法で検査されたものなのかわからない」「自分の数値が訴訟の基準を満たしているか判断できない」と悩まれる方は非常に多くいらっしゃいます。医療機関や検査時期によって表記方法が異なるため、ご自身だけで判断するのは難しいのが実情です。
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