この記事の要点まとめ
高力価(COI 10.0以上)が急性肝炎を示し和解対象外となるルールと、慢性肝炎増悪(低力価)の判別。
IgM-HBc抗体検査とは?肝炎の時期を知る指標
B型肝炎ウイルスの感染状況をより正確に知るための検査の一つに「IgM-HBc抗体」という項目があります。 このIgM-HBc抗体は、ウイルスに初めて感染した直後や、ウイルスが体内で急激に増殖して肝臓に強い炎症を起こしている時に、血液中に大量に現れる(高値になる)性質を持っています。その後、時間が経過して炎症が落ち着いてくると、数値は徐々に下がっていきます。 B型肝炎訴訟において、この検査数値は「最近感染したばかりの急性肝炎」なのか、それとも「幼少期から持続感染していた慢性肝炎が急激に悪化した状態(急性増悪)」なのかを見分けるための重要な鑑別指標となります。
「急性肝炎」と「慢性肝炎の急性増悪」の判別基準について
B型肝炎給付金を受け取るためには、幼少期の集団予防接種等を原因とする「持続感染(長期にわたる感染)」であることが絶対条件です。つまり、最近になって新たに感染した「急性肝炎」は救済の対象外となります。 この2つの状態を鑑別するために、IgM-HBc抗体の数値(力価)が用いられます。
1. 急性肝炎とみなされる場合(高力価)
IgM-HBc抗体の数値が非常に高い場合(目安として COI 10.0以上 などの高力価)、それは「最近になってB型肝炎ウイルスに初感染し、急性肝炎を発症している状態」であると医学的に強く疑われます。 この場合、幼少期からの持続感染ではないとみなされてしまうため、原則として給付金の和解対象外となってしまいます。
2. 慢性肝炎の急性増悪とみなされる場合(低力価)
一方で、肝炎の症状が強く出ている時でも、IgM-HBc抗体の数値がそれほど高くない(低力価、または陰性)場合があります。 この場合は、最近感染したのではなく、「以前(幼少期)から持続感染していたウイルスが、何らかの理由で急激に活発化して炎症を起こした状態(慢性肝炎の急性増悪)」であると医学的に判断されます。このケースであれば持続感染が前提となるため、他の要件を満たせば給付金の対象となります。
検査結果の解釈は慎重な判断が必要です
IgM-HBc抗体の数値は、採血を行ったタイミング(発症から何日経過しているか)によっても大きく変動するため、一つの数値だけで自己判断するのは危険です。他の検査項目(HBs抗原やHBe抗原など)の推移や、医師の臨床的な診断(カルテの記載)と併せて総合的に判断する必要があります。
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