提訴期限:2027年3月31日 制度解説 ❯

ジェノタイプAe型とジェノタイプB・C型の違い:欧米型ウイルスの除外規定

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「ジェノタイプAe型とB・C型の違いや除外規定とは何ですか?」
A 【除外規定の仕組み】ジェノタイプAe型は主に成人後の性交渉などで持続感染する欧米型のウイルスであり、集団予防接種等での感染とは認められにくいため、原則としてB型肝炎訴訟の給付金支給対象外(除外)となります。一方、国内で一般的なB型やC型は母子感染や集団予防接種等による感染として給付金の対象になります。
【対策と専門家のメリット】平成8年以降に感染が判明した方などは厳格な検査義務や要件確認が必要となるため、自己判断せず専門の弁護士へ早期に相談することで、ご自身のジェノタイプが対象内か正確に判断してもらえるメリットがあります。

ジェノタイプ(遺伝子型)とは?B型肝炎ウイルスの種類

B型肝炎ウイルスには、遺伝子の配列(DNA)の違いによっていくつかの種類が存在しており、これを「ジェノタイプ(遺伝子型)」と呼びます。 日本国内で古くから多く見られるのは、主に「ジェノタイプB型」と「ジェノタイプC型」と呼ばれる種類です。これらは日本固有の土着のウイルスとして存在しており、母子感染や、幼少期の集団予防接種による注射器の使い回しなどによって感染が広がったとされています。 一方で、近年になって日本国内でも感染者が増加傾向にあるのが、「ジェノタイプA型(とくにAe型と呼ばれる欧米型)」のウイルスです。

ジェノタイプAe型(欧米型)の特殊性と「除外ルール」

日本固有のジェノタイプB型やC型のウイルスは、成人になってから感染(水平感染)した場合、自身の免疫力によってウイルスが排除され、一過性の感染で終わって治癒することがほとんどです。 しかし、欧米型であるジェノタイプAe型は性質が大きく異なり、成人後に性交渉などで感染した場合でも、ウイルスが排除されずにそのまま体内に住み着き「持続感染」しやすいという特徴を持っています。 B型肝炎訴訟における給付金は、「幼少期(満7歳まで)の集団予防接種等での感染」を救済するための制度です。そのため、成人後の感染でも持続感染しやすいジェノタイプAe型に感染している場合は、「予防接種ではなく、成人後の他の原因で感染した可能性が高い」と判断され、原則として給付金の対象外(除外ルール)となってしまいます。

平成8年以降に感染が判明した方の「検査義務」について

このジェノタイプAe型による持続感染は、日本では1990年代半ば(平成8年頃)から急速に増加し始めたことが分かっています。 そのため、B型肝炎訴訟の要件として、「平成8年(1996年)以降に初めてB型肝炎ウイルスへの感染が判明した方」については、ご自身のウイルスがジェノタイプAe型でないことを証明する検査(塩基配列検査など)を受けることが義務付けられています。 もし検査の結果、ジェノタイプB型やC型であることが確認できれば、その他の要件を満たすことで問題なく給付金を受け取ることが可能です。

検査が必要かどうか分からない場合は専門家へご相談を

ご自身が平成8年以降に感染が判明したのかどうか、また、ジェノタイプの検査が本当に必要な状況なのかどうかは、過去の医療記録を詳細に確認しなければ判断が難しい場合があります。ジェノタイプ検査は特殊な検査であり、どこの医療機関でも受けられるわけではないため、事前の正確な状況把握が非常に重要です。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

TOP