明治・大正時代の「旧民法(家督相続・改立)」戸籍謄本の解読と相続人特定
縦書き手書きの旧法戸籍の解読、戸主・家督相続・廃絶家からの連続した相続関係の証明。
旧法戸籍とは何か——B型肝炎訴訟における重要性
B型肝炎給付金(和解金)を請求するためには、被害者本人またはその相続人であることを戸籍によって証明しなければなりません。この証明作業において、現代の戸籍だけでは足りないケースが多く、「旧法戸籍(改製原戸籍)」の収集が必要となります。
旧法戸籍とは、昭和32年以前の旧民法・旧戸籍法に基づいて編製された戸籍のことです。現在の戸籍が「核家族(夫婦と子)」を単位としているのに対し、旧法戸籍は「家」を単位として、戸主を頂点に大家族全員が一冊にまとめられていました。この旧来の形式が、B型肝炎訴訟の証明をとりわけ複雑なものにしています。
縦書き・手書き戸籍の解読という壁
旧法戸籍の最大の難点は、その記載形式にあります。現代の戸籍はコンピューター処理された横書きですが、旧法戸籍は縦書きの手書きで記録されており、担当職員ごとに筆跡が異なり、旧字体(例:「齋」「濱」「澤」など)や略字が多用されています。慣れていない方が解読しようとしても、そもそも何が書いてあるかを判別するだけで大変な労力を要します。
戸主・家督相続・廃絶家からの相続関係証明
旧法戸籍においてさらに重要なのが、「戸主」「家督相続」「廃絶家」といった旧民法特有の概念への理解です。
旧民法では、家の長である「戸主」が亡くなったり隠居したりすると、長男(または次順位者)が「家督相続」という形で戸主の地位と財産を相続しました。また、後継ぎがいないまま戸主が死亡した場合、その「家」は「廃絶」したとして処理されます。
B型肝炎訴訟では、被害者(一次感染者)とその相続人が「親子関係にあること」を連続した戸籍で途切れなく証明しなければなりません。しかし、廃絶家が間に挟まっている場合、現在の戸籍だけでは家族の繋がりを辿りきれないことがあります。このような場合、廃絶した家の旧法戸籍を含めた複数の除籍謄本・改製原戸籍を一連の流れとして揃え、「誰が誰の子であるか」を証明する作業が必要になります。
旧法戸籍の取り寄せ方
旧法戸籍(改製原戸籍・除籍謄本)は、本籍地を管轄する市区町村役場の戸籍担当窓口に申請して取得します。郵送での請求も可能です。ただし、本籍地が転籍などで複数の市区町村にまたがる場合は、それぞれの役所に個別に請求する必要があります。また、戦災や火災で焼失している場合や、保存期間が経過して廃棄されている場合もあるため、取り寄せが想定より困難になることも少なくありません。
専門家のサポートを早めに求めることが大切
旧法戸籍の解読・収集・相続関係の整理は、法的知識と経験を要する作業です。一般の方が独力で進めようとすると、大きな時間的・精神的負担がかかるうえ、書類に不備が生じるリスクもあります。弁護士に早期にご相談いただくことで、必要な戸籍の特定から収集・解読・証明書類の作成まで、一括してサポートを受けることができます。
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