昭和初期の「分家・廃室・復籍・転籍」が繰り返された複雑な家系の戸籍追跡
被相続人の数度の転籍・復籍履歴を全国の役所から遡り、一切れもない連続戸籍を揃える。
転籍・復籍とは何か——戸籍が全国に散らばる理由
B型肝炎訴訟において相続関係を証明するためには、被相続人(亡くなられた方)の出生から死亡までを網羅した「連続した戸籍」を揃える必要があります。しかし、現代の日本では、引っ越しや結婚・離婚・養子縁組などをきっかけに本籍地を変更する「転籍」が繰り返されることがあり、戸籍が全国複数の市区町村に分散している場合があります。
転籍とは、本籍地(戸籍を管理する住所)を変更する手続きです。転籍が行われると、それまでの本籍地の戸籍は「除籍謄本」として閉鎖され、新しい本籍地に戸籍が新設されます。また、かつて転籍したあとで元の本籍地に戻す「復籍」という手続きもあり、これが複数回繰り返されると、戸籍は文字通り全国各地に散らばることになります。
連続戸籍の収集——遡りの難しさ
被相続人の転籍・復籍の履歴が複数回あると、その方の「生涯の記録」をつなぎ合わせるためには、各時点の本籍地を管轄する市区町村の役所に、それぞれ別途請求しなければなりません。
手順としては、まず現在(または最終)の戸籍(除籍謄本)を取得し、その戸籍に記載されている「従前の本籍(転籍前の本籍地)」を確認します。次に、その従前の本籍地の役所に除籍謄本を請求し、さらに遡る——という作業を、出生記録に辿り着くまで繰り返します。転籍回数が多ければ多いほど、この作業は膨大になります。
戸籍の記載がない期間への対処
転籍・復籍の際に、稀に「ある時点からある時点の記録が抜けている」ように見えることがあります。実際には、転籍の際にどの情報が新しい戸籍に引き継がれるかが時代によって異なり、旧法戸籍と新法戸籍(昭和32年以降)の切り替わり時に整合性が取りにくい場合があります。このような「空白」を埋めるためには、複数の役所に問い合わせながら丁寧に確認する作業が必要です。
連続戸籍の証明と裁判所への提出
裁判所は、相続人と被相続人の関係を戸籍の記載によって確認します。そのため、出生から死亡まで一切れもなくつながった連続した戸籍が求められます。途中で1枚でも欠けていると、書類の補正を求められ、手続きが遅れる原因となります。
全国各地の役所への請求作業は時間と手間がかかりますが、弁護士に依頼することで、必要な戸籍の特定から各役所への請求・取り寄せまでをまとめて代行してもらうことができます。
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