この記事の要点まとめ
手術での輸血歴がカルテにあっても、輸血前に既にB型肝炎キャリアであったことの初診時データ証明。
過去の手術や輸血歴が給付金請求に与える影響
B型肝炎給付金を受け取るためには、感染の原因が「幼少期(満7歳になるまで)の集団予防接種等」であることが条件となります。そのため、カルテなどの医療記録に「大量輸血」や「血液製剤の投与」を受けた履歴が残っている場合、国から「輸血によってB型肝炎に感染したのではないか」と指摘を受けることがあります。
B型肝炎ウイルスは血液を介して感染するため、過去の輸血や血液製剤の使用は、有力な感染原因の一つとみなされてしまうからです。このような場合、何もしなければ「集団予防接種が原因である」とは認められず、給付金の対象外とされてしまう恐れがあります。
輸血による感染ではないことを証明する方法
では、過去に輸血を受けたことがある方は給付金を諦めなければならないのでしょうか。決してそうではありません。「輸血を受けるよりも前に、すでにB型肝炎ウイルスに感染していた(キャリアであった)」ことを証明できれば、輸血が原因ではないと主張することができます。
この証明のために重要となるのが、「輸血前」または「初診時」の血液検査データです。
輸血前のキャリア証明
最も確実なのは、手術や輸血が行われた日よりも前の日付で、B型肝炎のウイルスマーカー(HBs抗原など)が「陽性」であったことを示す血液検査結果を提出することです。これにより、「輸血の時点で既に感染していたのだから、輸血が感染原因ではない」という明白な証拠になります。
初診時のデータや古い健康診断結果の活用
手術が行われた病院のカルテに「術前検査」としてB型肝炎の検査結果が残っていることが多くあります。また、過去に受診した別の病院のカルテ、あるいは会社や自治体で受けた古い健康診断の記録に、肝機能の異常(GOT/GPTの数値など)やB型肝炎ウイルスの陽性反応が記録されていれば、それらが有力な証拠となる可能性があります。
カルテ開示とデータ探索の重要性
輸血による感染の疑いを晴らすためには、徹底した医療記録の調査が不可欠です。
1. 手術を行った医療機関のカルテ開示
まずは、手術や輸血を受けた病院からカルテ(診療録)を開示してもらいます。特に、手術前の検査結果(術前スクリーニング検査)にB型肝炎関連の記載がないかを詳細に確認します。
2. 過去の通院歴や健診記録の調査
手術より前の時期に別の病気で通院していた病院や、長年保管されている健康診断の記録などを探し出します。ご本人が忘れているような古い記録の中から、キャリアであったことを示す決定的な証拠が見つかることも少なくありません。
専門家のサポートによる確実な立証
カルテは専門的な医学用語で書かれており、膨大な記録の中から「輸血前に感染していた証拠」を見つけ出すのは一般の方には非常に困難です。また、古いカルテが破棄されている場合や、一部のデータしか残っていない場合でも、複数の状況証拠を組み合わせたり、専門医の意見書を活用したりすることで立証が可能になるケースもあります。
国が主張する他原因感染の指摘に対して、法的に有効な証拠を揃えて適切に反論するためには、B型肝炎訴訟に関する豊富な知識と経験を持つ弁護士のサポートが欠かせません。
まとめ
カルテに輸血や血液製剤の投与歴が記載されていても、それが直ちに給付金の対象外を意味するわけではありません。「輸血前にすでに感染していた」ことを証明する手がかりは、多くの場合、過去の記録の中に眠っています。
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