この記事の要点まとめ
飲酒歴があっても、B型肝炎ウイルスの持続感染が肝炎・肝硬変の主因であることの医師意見書立証。
飲酒歴や脂肪肝がある場合のB型肝炎給付金請求
B型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリア)の方が、慢性肝炎、肝硬変、肝がんといった病気を発症している場合、その病態に応じた給付金を受け取ることができます。 しかし、患者様に長年の飲酒歴(アルコール性肝障害)や、肥満等に伴う脂肪肝(MASH:代謝機能不全関連脂肪肝炎など)といった別の要因が併発している場合、給付金の請求において国から厳しい指摘を受けることがあります。
国は、「現在の肝炎や肝硬変の主な原因は、B型肝炎ウイルスではなく、お酒の飲みすぎや脂肪肝によるものではないか」と疑義を呈してくるのです。もし、肝疾患の進行がB型肝炎ウイルスによるものではないと判断されてしまうと、希望する病態の給付金が認められない可能性があります。
「B型肝炎が主因である」ことの証明方法
このような場合でも、給付金の受給を諦める必要はありません。アルコール性肝障害や脂肪肝といった他の要因があったとしても、「現在の肝炎・肝硬変の進行は、主にB型肝炎ウイルスの持続感染によるものである」ということを医学的に証明できれば、給付金は認められます。
そのための最も重要な手続きが、専門医による「医師意見書」の提出です。
医師意見書による医学的立証
裁判所および国に対して因果関係を証明するためには、主治医や肝臓の専門医に依頼して意見書を作成してもらいます。意見書には以下のようなポイントを記載してもらうことが重要です。
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ウイルス量の推移と肝機能の連動: B型肝炎ウイルス量(HBV-DNAなど)が多い時期に肝機能の数値(AST/ALTなど)が悪化しており、ウイルスの活動が肝炎を引き起こしていること。
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他の要因の除外・軽視: 飲酒量や脂肪肝の程度が、現在の深刻な肝障害を引き起こすほどの主原因とは考えにくいこと。
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総合的な医学的判断: 組織検査(肝生検)や画像診断の結果も踏まえ、病変の主たる原因がB型肝炎ウイルスによるものであるという専門医としての見解。
血液データや生活歴の記録
意見書を裏付けるための客観的な資料も必要です。過去から現在に至るまでの血液検査の推移や、禁酒・節酒をした時期の肝機能の変化などのデータは、「アルコールが主因ではない」ことを示す重要な証拠となります。
併発疾患があるケースの注意点
アルコール性肝障害や脂肪肝を併発しているケースでは、一般的なB型肝炎訴訟に比べて立証のハードルが高くなります。単にカルテを提出するだけでは不十分であり、「どのデータに着目し、どのような意見書を医師に書いてもらうべきか」という高度な判断が求められます。
また、医師に意見書の作成を依頼する際にも、裁判で有効となる「法的に求められている記載事項」をしっかりと医師に伝え、協力をお願いしなければなりません。弁護士が間に入ることで、医師とのやり取りをスムーズに進め、より効果的な意見書を取得することが可能になります。
まとめ
過去に飲酒の習慣があったり、脂肪肝と診断されたことがあっても、適切な医学的証拠と医師の意見書を用意することで、B型肝炎ウイルスとの因果関係を証明し、給付金を受け取れる可能性は十分にあります。自己判断で「自分は対象外かもしれない」と諦める前に、まずは専門知識を持つ弁護士に状況を確認してもらうことが解決への第一歩です。
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