この記事の要点まとめ
カルテにタトゥーやピアスの記載がある場合、国が主張する他原因感染の指摘を弾劾するロジック。
タトゥーやピアス歴とB型肝炎給付金の関係
B型肝炎給付金を受け取るためには、感染の原因が「幼少期の集団予防接種等」であることを証明する必要があります。その一環として、裁判所や国からは「予防接種以外の原因(他の感染ルート)がないか」が厳しくチェックされます。
B型肝炎ウイルスは血液を介して感染するため、カルテなどの医療記録に「タトゥー(刺青)」や「ピアスの穴あけ(穿孔)」の履歴が記載されていると、国から「その器具の使い回しなどによって感染したのではないか」と指摘を受ける可能性が高くなります。このような指摘を放置すると、給付金の対象外となってしまう恐れがあります。
国からの指摘を覆すための反論ロジック
カルテにタトゥーやピアスの記載があっても、直ちに給付金がもらえなくなるわけではありません。適切な証拠を提出し、「タトゥーやピアスが感染の原因ではない」ということを論理的に証明(弾劾)すれば、給付金は認められます。
反論のための主な方法は、以下の2つです。
1. タトゥー・ピアスよりも「前」から感染していたことの証明
最も確実で強力な反論は、「タトゥーを入れる前」や「ピアスの穴を開ける前」の段階で、すでにB型肝炎ウイルスに感染していた(キャリアであった)ことを証明することです。
例えば、タトゥーを入れたのが20歳の時であった場合、それ以前(例えば18歳の時の健康診断など)に「HBs抗原陽性」や「肝機能異常(GOT/GPTの高値)」などの記録があれば、「タトゥーが原因で感染したわけではない」という明白な証拠になります。過去の古い健康診断記録や、別の病気で通院した際の血液検査データなどが重要な役割を果たします。
2. 幼少期からの「持続感染」であることの医学的証明
タトゥーやピアスを入れる前の血液データが見つからない場合でも、現在の血液検査データ等から「成人してからの感染(一過性感染)ではなく、幼少期からの持続感染である」ことを医学的に証明することで反論が可能です。
具体的には、HBc抗体が高力価(高い数値)であることの検査結果を提出します。一般的に、成人になってからタトゥーなどで感染した場合、HBc抗体は低力価にとどまることが多いとされています。そのため、「HBc抗体が高力価である」というデータは、幼少期の集団予防接種等による持続感染であることを示す強力な証拠となります。場合によっては、これに加えて専門医の意見書を提出することもあります。
徹底したカルテ確認と準備の重要性
タトゥーやピアスの経験がある方は、給付金請求の手続きを始める前に、弁護士としっかりと情報を共有することが重要です。「黙っていればバレないだろう」と申告せずにおくと、後からカルテの記載から発覚し、手続きが大幅に遅れたり、不利な状況に陥ったりするリスクがあります。
弁護士は、収集した膨大なカルテの全ページを隅々まで読み込み、国から指摘されそうな記載がないかを事前にチェックします。もし該当する記載があれば、国から指摘される前に、あらかじめ上記のような反論資料(古い血液データやHBc抗体の検査結果など)を準備し、スムーズに裁判を進める戦略を立てます。
まとめ
過去にタトゥーやピアスを入れた経験があるからといって、B型肝炎給付金を諦める必要はありません。適切な検査データと論理的な反論を準備することで、集団予防接種による感染であることを証明し、正当な給付金を受け取ることが十分に可能です。
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