【制度の正しい理解】給付金制度は、集団予防接種等によりB型肝炎ウイルスに持続感染した方に対する損害賠償を目的としたものです。家族のワクチン接種については、自治体が実施する定期接種や任意接種の枠組み等、一般的な公衆衛生上の制度を確認する必要があります。
B型肝炎給付金制度と家族のワクチン接種に関する解説
B型肝炎給付金制度の受給者やそのご家族から、同居家族の感染予防に関するご質問をいただくことがあります。制度の正しい理解のために、以下の通り解説いたします。
1. 給付金制度の対象範囲について
特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法に基づく給付金は、集団予防接種等の際に注射器の連続使用によりB型肝炎ウイルスに持続感染した方(一次感染者)およびその遺族、またはその方から母子感染した方(二次感染者)等を対象としています。
この制度は、国が負うべき損害賠償責任を果たすためのものであり、受給者の家族に対するワクチン接種費用の補償や支給を定めた規定は存在しません。
2. 無症候性キャリアに対する公的支援制度
一方で、無症候性キャリア(20年経過後に50万円の給付金を受給された方を含む)に対しては、健康管理を目的とした以下の公的支援制度が社会保険診療報酬支払基金を通じて実施されています。
- 定期検査費用の助成:年2回の定期検査費用(上限あり)が公費で助成されます。
- 世帯内感染防止対策:無症候性キャリアの方が同居家族への感染を防止するために必要な措置として、同居家族がワクチン接種を受ける際の費用助成制度が設けられています。
これらはあくまで「無症候性キャリア本人」の健康管理および「同居家族への感染防止」を目的とした公衆衛生上の支援であり、給付金制度とは別の枠組みで運用されています。詳細については、社会保険診療報酬支払基金の窓口へお問い合わせください。
3. B型肝炎給付金制度の基本情報
給付金の請求には期限があります。特措法に基づく提訴期限は2027年3月31日までです。
- 対象者:昭和16年(1941年)7月2日から昭和63年(1988年)1月27日までの間に生まれた方で、集団予防接種等により持続感染した方。
- 母子感染の否定:一次感染者が母子感染を否定するためには、母親のHBs抗原陰性データや、年長きょうだいの全員(または一部)がHBs抗原陰性であること等の医学的証拠が必要となります。
- 給付金額:病態に応じて50万円から最大3,600万円まで定められており、弁護士費用補助手当として給付金額の4%が加算されます。
4. 専門家への相談
B型肝炎給付金の手続きは専門的な医学的・法的な立証が必要となります。制度の対象となるかどうかの確認や、定期検査助成制度の利用方法については、厚生労働省の相談窓口や、B型肝炎訴訟に精通した弁護士へご相談されることを強くお勧めいたします。

