肝臓の造影EOB-MRI検査における「Defect(陰影欠損)」所見と早期肝がんの認定
EOBプライム相での低信号(Defect)所見と結節の存在を示す画像報告書による病態認定。
肝がんの早期発見と客観的立証
B型肝炎の給付金請求において、肝がん(肝細胞がん)の発症が認められれば、最大3,600万円(発症から20年未満の場合)という最も高額な給付金の対象となります。
肝がんの証明には、通常「腫瘍マーカーの異常値」と「画像診断(CTやMRI)」の組み合わせが用いられます。しかし、がんがまだ比較的小さい早期の段階では、腫瘍マーカーの数値がそれほど上がらないケースも珍しくありません。そのような状況で、肝がんの存在を極めて高い精度で見つけ出し、裁判上も決定的な証拠として扱われるのが「EOB・MRI検査」による画像報告書です。
EOBプライム相での「低信号(Defect)」が意味するもの
EOB・MRI検査とは、肝臓の検査に特化した特殊な造影剤(EOB・プリモビスト)を使用したMRI検査のことです。この検査の最大の特徴は、注射から約20分後に撮影する「肝細胞相(プライム相)」と呼ばれる画像にあります。
正常な肝臓の細胞は、この造影剤を取り込んで画面上で白く(高信号に)光って映ります。しかし、肝がんの細胞はこの造影剤を取り込む能力を失っているため、がんがある部分だけが「黒く抜け落ちたような状態(低信号・Defect)」として明確に映し出されます。
画像報告書の記載が裁判の決め手になります
裁判において、医師が作成した画像診断報告書(読影レポート)に、「結節(しこり)が存在し、EOB肝細胞相で明らかな低信号(Defect)を呈している」といった記載があれば、それは「医学的に見て初期の肝細胞がんが疑いなく存在している」ことの極めて強力な客観的証拠となります。
たとえ腫瘍マーカーの数値が基準値内であっても、この特異的な画像所見と、その他の血流評価(早期濃染など)が揃っていれば、手術で組織を採らなくても肝がんとしての和解基準を満たす可能性が十分にあります。
ご自身の検査レポートにどのような記載があるのか、それが法的に肝がんの要件を満たす証拠になるのかどうかは、専門的な判断が必要です。
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