提訴期限:2027年3月31日 制度解説 ❯

B型肝炎ウイルス「コア関連抗原(HBcrAg)」や「HBV RNA」数値の裁判での位置づけ

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「コア関連抗原(HBcrAg)」や「HBV RNA」の数値は、B型肝炎訴訟でどのように評価されますか?
A 【裁判での位置づけ】これら新しいバイオマーカーの数値は、ウイルスの持続感染を医学的に補強する「補助的な証拠」として極めて重要な価値を持ちます。
【弁護士への相談のメリット】従来の検査データだけでは持続感染の立証が難しい場合でも、これらの数値を適切に活用することで給付金受給の可能性を高めることができます。詳細な評価についてはB型肝炎訴訟に精通した弁護士へご相談ください。

ウイルスの持続感染を証明するハードル

B型肝炎の給付金を受け取るための大前提となる要件が、「B型肝炎ウイルスに持続感染している(キャリアである)」ことです。これを証明するためには、通常、「6ヶ月以上の間隔をあけた2つの時点での血液検査(HBs抗原陽性など)」の結果を提出する必要があります。

しかし、「昔の検査結果が残っていない」「最近になって初めて感染に気づいたため、過去のデータがない」といった理由で、この「6ヶ月以上」という期間の証明ができずに手続きがストップしてしまう方が少なからずいらっしゃいます。

そのような時に、持続感染を補強し、要件クリアの可能性を広げる補助的な証拠として注目されているのが、新しいバイオマーカー(血液検査の項目)である「HBcrAg(B型肝炎コア関連抗原)」の数値です。

HBcrAg(コア関連抗原)が持つ補助的証拠の価値

HBcrAgは、肝臓の細胞内でB型肝炎ウイルスが増殖している状態をより正確に反映する、比較的新しい検査項目です。

急性肝炎などの一時的な感染の場合、ウイルスは体内の免疫によって排除されるため、この数値が長期間高いまま維持されることはありません。一方で、数値が非常に高い状態にある場合、それは「ウイルスが長期間にわたって肝臓内に居座り、活発に活動を続けている状態(持続感染)」であることを医学的に強く示唆しています。

そのため、裁判においては、「6ヶ月の期間を満たすデータが不足していても、HBcrAgの数値が極めて高い」といった客観的なデータがあれば、それを補助的な証拠として活用することで、「医学的にみて持続感染状態にあることは間違いない」と国に認めさせる(推認させる)ための重要な交渉材料となります。

最新の医学知識を裁判に活かす

「HBs抗原」や「HBV-DNA」といった基本的な検査項目だけでなく、HBcrAgのような最新のバイオマーカーの意味を正しく理解し、それを法的な証拠としてどのように組み立てるかが、専門家の腕の見せ所です。ご自身の検査データで給付金の対象になるかどうか不安な場合は、自己判断せずにご相談いただくことをお勧めします。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

TOP