この記事の要点まとめ
腕に残る管針痕(9本針×2回=18痕)やBCG・種痘痕を医師が視診・計測して作成する手順。
母子健康手帳等がない場合のもう一つの証明方法
B型肝炎訴訟で給付金を受給するためには、「満7歳になるまでに集団予防接種等を受けたこと」を証明する必要があります。その証明手段として最も一般的なのは、母子健康手帳や市町村の予防接種台帳です。しかし、これらが紛失・破棄されている場合でも、証明を諦める必要はありません。
客観的な記録がない場合の代替手段として、患者自身の記憶に基づく「陳述書(様式3-2)」と併せて非常に重要なのが、「接種痕意見書(様式3-3)」です。これは、幼少期に受けた予防接種の痕跡が腕に残っているかどうかを、医師に直接確認・証明してもらうための書類です。本記事では、この接種痕意見書がどのようなものか、またその作成手順について詳しく解説します。
接種痕意見書で確認される「3つの予防接種痕」
接種痕意見書では、主に幼少期に行われていた特定の予防接種の痕(瘢痕:はんこん)が腕に残っているかを医師が視診します。確認の対象となる主な接種痕は以下の3つです。
1. ツベルクリン反応検査およびBCG接種の痕
結核の予防接種であるBCGは、現在でも行われているおなじみの予防接種です。特に昭和20年代から50年代にかけては、法律で義務付けられており、多くの方が集団接種として受けていました。BCGの接種痕や、その前段階として行われるツベルクリン反応検査の注射痕が残っているかが確認されます。
2. 種痘(天然痘)の接種痕
種痘は、天然痘を予防するためのワクチン接種です。日本国内での天然痘の撲滅に伴い、昭和51年(1976年)に定期接種としての種痘は廃止されました。しかし、それ以前に生まれた世代の方であれば、腕に円形または楕円形の少し凹んだような種痘の痕が残っていることが多く、これも集団予防接種等を受けた有力な証拠となります。
3. 管針(かんしん)の痕(9本針×2回=18痕)
BCG接種において用いられていた「管針(スタンプ注射)」の痕も重要な確認対象です。管針とは、9本の短い針が円状に並んだスタンプのような器具を、腕に2回押し付けて接種する方法です。そのため、正常に痕が残っていれば「9個の点×2か所=合計18個」の小さな瘢痕が確認できます。この特徴的な18個の痕の有無や状態を医師が細かく診察します。
接種痕意見書の作成手順と流れ
接種痕意見書を取得するための具体的な手順は以下の通りです。
ステップ1:医療機関の受診と医師への依頼
かかりつけ医や近隣の内科・皮膚科などの医療機関を受診し、B型肝炎訴訟の手続きのために「接種痕意見書」を作成してほしい旨を伝えます。すべての医師がこの手続きに精通しているわけではないため、事前に電話等で対応可能か確認しておくとスムーズです。
ステップ2:医師による視診と計測
診察室にて、医師が患者の腕(主に上腕部)を目視で確認します。BCG痕、種痘痕、管針の18個の痕などが残っているか、またその痕の大きさ(直径など)や状態を定規などで計測しながら詳細に確認します。
ステップ3:意見書(様式3-3)の記入
視診・計測の結果に基づき、医師が指定のフォーマットである「接種痕意見書(様式3-3)」に必要事項を記入します。どの予防接種の痕と推測されるか、はっきりと確認できるか等の所見が記載され、最後に医師の署名または記名押印が行われます。
接種痕が薄くなっている場合の注意点
長い年月が経過しているため、接種痕が薄くなり、素人目には判別が難しいケースも多々あります。しかし、医師の専門的な目で見れば、微かな色素沈着や皮膚の凹凸から接種痕として認められることもあります。「自分では見えないから」と自己判断で諦めず、まずは医療機関で医師の診察を受けることが大切です。
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