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「ツベルクリン反応検査」および「BCG接種」も集団予防接種等に含まれる法的根拠

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「ツベルクリン反応検査」や「BCG接種」での注射器の使い回しもB型肝炎給付金の対象に含まれますか?
A 【対象に含まれる法的根拠】はい、対象に含まれます。昭和30年代から昭和40年代にかけて行われたツベルクリン反応検査やBCG接種の際にも注射器の連続使用(針や筒の使い回し)が確認されており、これらは国が責任を認める「集団予防接種等」に該当するためです。
【請求における注意点と対策】母子健康手帳などの接種記録や、当時の集団接種の状況を示す資料が証明の鍵となります。自己判断せず、B型肝炎訴訟に精通した弁護士に相談し、証拠集めのサポートを受けることを強くお勧めします。

B型肝炎ウイルスの感染原因と「集団予防接種等」

B型肝炎訴訟において、国が給付金の支給対象としているのは、「昭和16年7月2日から昭和63年1月27日までの間に、集団予防接種等の際の注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染した方」およびそのご家族です。

ここでよく疑問に持たれるのが、「集団予防接種等」の「等」には何が含まれるのかという点です。結論から言えば、種痘やジフテリアなどの一般的な予防接種だけでなく、結核予防のために行われていた「ツベルクリン反応検査」および「BCG接種」も、この救済対象となる「集団予防接種等」に含まれています。

本記事では、なぜツベルクリン反応検査やBCG接種がB型肝炎訴訟の対象となるのか、その歴史的背景と法的根拠について解説します。

ツベルクリン反応検査・BCG接種とは?

結核はかつて国民病と呼ばれ、多くの命を奪った恐ろしい感染症でした。国は結核を予防するため、集団での検査と予防接種を強力に推し進めました。

ツベルクリン反応検査

結核菌に対する免疫があるかどうかを調べるための検査です。皮内に少量の検査液を注射し、数日後に赤く腫れるかどうか(陽性か陰性か)を判定します。この検査は、主に小学校などの学校行事として、児童全員を集めて集団で行われていました。

BCG接種

ツベルクリン反応検査の結果が「陰性(免疫がない)」だった児童に対して行われるのが結核の予防接種であるBCGです。初期は皮内注射で行われ、後に管針(スタンプ注射)と呼ばれる方法が主流となりました。これもツベルクリン反応検査と同様に、集団で一斉に実施されていました。

注射器の連続使用(使い回し)が行われていた歴史的背景

B型肝炎訴訟において最も重要な問題は、「注射器(注射針や注射筒)が一人ひとりに交換されず、連続使用(使い回し)されていた」という事実です。

昭和23年に制定された予防接種法等の下で行われていた当時の集団予防接種では、限られた時間内で多数の児童に効率よく注射を行う必要がありました。また、現在のような使い捨て(ディスポーザブル)の注射器が普及しておらず、ガラス製の注射筒と金属製の注射針を消毒して再利用するのが一般的でした。

そのため、前の児童に使用した注射器を、十分な消毒・交換を行わずに次の児童へ連続して使用するという危険な行為が、全国の学校や保健所等で日常的に行われていたのです。この連続使用によって、B型肝炎ウイルスを持つ児童の血液が微量に注射器に混入し、次々と他の児童に感染が拡大してしまいました。

ツ反・BCGが救済対象となる法的根拠

ツベルクリン反応検査やBCG接種も、当時の「結核予防法」という法律に基づいて、国民に義務付けられ、市区町村の主導により集団で一斉に実施されていました。

そして、これらの検査や接種においても、一般的な予防接種と全く同じように「注射器の連続使用」が広範に行われていたことが裁判で認定されています。そのため、「国が主導して実施した集団的な医療行為の中で、注射器の使い回しによって感染被害が広がった」という本質的な原因は同じであるとみなされます。

最高裁判所の判決においても、国の責任が認められた予防接種等の中に、ツベルクリン反応検査やBCG接種が含まれていることが明確に示されています。したがって、これらを受けたことによってB型肝炎ウイルスに感染したと認められる方も、正当に国の救済(給付金)の対象となるのです。

腕の痕(BCG痕)が重要な証拠になる理由

母子健康手帳などの記録がない場合、「集団予防接種等を受けたこと」を証明するために、腕に残るBCGの痕(管針の18個の痕など)を医師に確認してもらう「接種痕意見書」が非常に有効な証拠となります。 これは、BCG接種自体が給付金の対象となる医療行為(集団予防接種等)に直接該当するため、その痕跡があること=対象となる医療行為を受けた決定的な証拠となるからです。

B型肝炎給付金に関する公的相談窓口

「自分が受けたのはツベルクリン反応とBCGだけかもしれない」「普通の予防接種の記憶はないが、ハンコ注射の痕はある」という方でも、十分に給付金の対象となる可能性があります。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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