ノウハウの流出と競業
2021/08/14
ノウハウの流出と競業
(1)社員がノウハウを持ち出し、会社に不利益がでることがあります(ノウハウの流出)。
(2)社員が退職して、会社と同じようなビジネスをして、会社が取引先を失うことがあります(競業)。
(3)在職時に、ノウハウを流出させればノウハウ流出の問題です。退職後に、ノウハウを使って、競業する場合には競業の問題となります。
競業禁止
(1)退職時に「会社と取引先がかぶるような仕事をしてはならない。」との競業を禁じる誓約書等を取り交わすこともあります。
(2)裁判所は、退職した社員が今までのキャリアを活かせる仕事につけないのは、職業選択の自由を奪うものとして、上記の誓約書等の効力については限定的に考えます。
競業を禁止することの対価として、十分な退職金等を支払っていること等が必要になってきます。
(3)例えば、営業職の人が退職し、記憶に基づいて取引先に電話等して、別の会社の社員として営業すること等は禁止できないと言われています。逆に、会社の個人情報をデータ等で持ち出すことは許されないということになります。
入社時の誓約書
まずは、会社としては、社員とのトラブルを避けるためにも、添付のような誓約に署名してもらうべきでしょう。
https://yuhigaoka-law.com/wp-content/uploads/2021/08/5ad1dc37d36d5c637b3f1010b9aadcad.docx
退社時の誓約書
次に、退会社としては、社員とのトラブルを避けるためには、添付のような誓約書に署名してもらうべきでしょう。
例えば、飲食店であれば、その営業権は限られています。「5キロ以内にお店を構えるのはやめてほしい。」という具体的な要望を伝えれば、退職する社員も同意するでしょう。これに対して、もし、元社員が飲食店をするために内装工事をしてから、競業禁止を求めたらどうなるでしょうか。当然、元社員としては拒否してくると思います。
先に、きちんと説明することでリスクを下げれます。
https://yuhigaoka-law.com/wp-content/uploads/2021/08/e6e8d35931fc905f0ae542b09e84625b.docx
アルムナイとしてのサポート
退職者とのつながりをもつことで、ノウハウの流出や、競業のリスクを避けれます。特に転職のサポートまで行えば、これらのリスクを会社でコントールする方法もあります。
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