パート・有期労働者と正社員の格差について判断する際に対象となる正社員についての判例(2)
2021/08/25
対象となる労働者
パート・有期労働者が「無期のフルタイム労働者との間に不合理な待遇差が存在する」として、会社を訴えた事案である。
無期のフルタイム労働者の労働条件が様々である場合、パート・有期労働者と比較される無期のフルタイム労働者は誰になるのか、比較対象者をどのように把握するか問題となる。
判例の内容
正社員について、A、B、C、Dのコースと、業務内容や配置の変更等の範囲が異なっている事案について、本判決は、全社員ではなく、業務内容や配置の変更等が一定程度共通する社員と比べて不合理性を判断するべき、と述べた。
令和2年5月30日 東京地方裁判所
判例タイムズ 1486号146頁以下
余談
判例タイムズ 1486号146頁の判例解説では、基本給及び賞与の相違について旧労働法20条違反を認めた裁判例はほとんど見当たらない、との記載もあり、参考になる。
次の記事 »
労働保険事務組合