電子帳簿保存法(請求書がメールで送られ来てた場合②)
2021/10/10
請求書がメールで送られ来てた場合
令和6年1月1日より、請求書をメールで送ってもらう場合に、電子帳簿保存法の対策が必要になります(現在は猶予期間となります)。
「検索できる仕組み」について検討する
メールで請求書が送られ来た場合、「請求書を検索できる仕組み」として、どんな管理をすればよいか、もう少し詳しく解説します。
受け手の解決方法
(1)国税庁が出している「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」によれば、メールで請求書を受け取った人が、「取引年月日、取引金額、取引先」を記載したエクセルを作る方法が記載されています。
(2)国税庁が出している「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」によれば、添付された請求書(PDF)をダウンロードして、PDFの名前に、「取引年月日、取引金額、取引先」を記載する方法が記載されています。
例えば、「031007 山田商事 20000円」と記載します。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_03.pdf
送り先の解決方法
(1)そもそも、メールではなく、請求書を郵送で送ってもらう方法ことも考えられます。請求書を郵送してもらう場合には、電子帳簿保存法の規制はかかりません。
(2)送り手に請求書を専用のシステムで送ってもらうことが考えられます。例えば、送り手が、過去の請求履歴を一覧にして見れる機能を追加することも考えられます。・・・①
(2)私見となりますが、送り手が送るメールについて、メールの表題に「031007 山田商事 20000円」と記載してもらう方も考えられます。・・・②
検索できる仕組み
(1)検索できる仕組みとしては、取引年月日、取引金額、取引先による検索ができる仕組みが必要になります。
(2)国税庁が出している「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」によれば、二つ以上の項目を指定して検索することができることが要件となっています。
(3)ここで、①②の方法の場合、例えば、「令和2年4月3日に、現金で500万円支払っているところ、誰に支払ったか」を調べようと思ったときに、①では、取引先の全ての会社の専用システムを見なければならないという問題があります。
②の方法でも、西暦の違い等、会社ごとに表示が異なるために、会社ごとに検索をやり直す必要が出てくる可能性があります。
(4)①②の方法の場合、電子帳簿保存法が要求している「二つ以上の項目を指定して検索することができる。」との要件を満たすことになるのかは疑問があります。
この問題については、今後、国税庁の回答を待つことになるでしょう。
小規模事業者の特例
(1)小規模事業主では検索できる仕組みは不要です。つまり、メールさえ消さなければこの要件を満たすことになります。
(2)小規模事業主とは、前々年度(法人は前々事業年度)を基準期間とし、この期間の売上高が1000万円いかである個人事業主もしくは法人のことをいいます。
« 前の記事
事業主の特別加入