ご質問・ご相談などお気軽にお問い合わせください。

TEL 06-6773-9114

FAX 06-6773-9115

受付時間 : 平日10:00 ~18:00 土日祝除く

メールでの
お問い合わせ

夕陽ヶ丘法律事務所ブログ

電子帳簿保存法(請求書がメールで送られ来てた場合③)

2021/10/10

請求書がメールで送られ来てた場合

 令和6年1月1日より、請求書をメールで送ってもらう場合に、電子帳簿保存法の対策が必要になります(現在は猶予期間となります)。

疑問

 請求書をメールで送ってもらう場合、①メールを消さないこと。②メールの送信者に対し、メールの件名に、「取引年月日、取引先、取引金額」を記載してもらえれば、電子帳簿保存法に対応しているといえるのか。

ポイント

上記の場合には、以下のことがポイントとなります。

①請求書が添付されたメールを消さないこと。

②取引先に以下のお願いをすることです。

②取引先について、以下のお願いをすること

 取引先に対しては、以下のメールを送ることが考えられます。

〇〇様
いつもお世話になっております。
◇◇会社の▲▲です。

1 初めに
 いつもメールで送って頂いている請求書ですが、電子帳簿保存法の対応のため、件名を以下のルールに従って送ってもらえませんか。

2 電子帳簿保存法
 税務関係のデジタル化の対応のために、メールで請求書を送った場合の取り扱い等が定められいます。具体的には、請求書を検索できる仕組みが必要になります。

3 メールの件名
(1)以下、【請求書の送付】とお書き頂き、取引年月日、会社名 金額(円)を記載下さい。
            記
【請求書の送付】 20190305 山田商事 20000円

(2)取引年月日については、「20190305」と西暦で表示して下さい。
   月単位の契約である場合には、20190401と、1日を取引日と記載して下さい。
(3)会社名は、㈱を付けるかどうかはお任せします。
(4)取引金額は、〇〇円と、円と記載下さい。

4 クラウドストレージ
 請求書について、クラウドストレージ(ドロップボックス、ワンドライブ、マイドライブ)の利用は控え下さい。請求書が消えてしまうからです。

 お手数ですが、よろしくお願いします。

電子帳簿保存法の対応

(1)私は、グーグルメールを使っていますが、添付ファイルも検索してくれます。
  請求書をメールで送る人が、文面、件名、添付ファイルの請求書(PDF)のどれかについて、ファイルの名前に、「取引年月日、取引先、取引金額」を記載すれば、電子帳簿保存法に対応しているという解釈もありえます。

(2)これに対して、国税庁が出している「電子帳簿保存法の一問一答」(令和4年1月1日から令和5年12月31日までの取扱いに関するもの)の27頁に、和暦、西暦を統一しなければ抽出機能の妨げになる、という指摘があります。
 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_03.pdf


(3)企業が、添付ファイルの請求書(PDF)をダウンロードして、「取引年月日、取引先、取引金額」をファイル名として記載する方法であれば、統一した表記ができます。
 これに対して、(請求書が送ってくる)取引先に任せると、表記はごちゃごちゃになる可能性があります。
 例えば、「令和2年4月3日に、現金で500万円支払っているところ、誰に支払ったか」を調べようと思ったときに、西暦の違い等、会社ごとに表示が異なるために、実際には検索できない可能性がでてきます。

(4)結論としては、請求書をメールで送ってくる業者が数社であれば、上記の方法で対応することも可能ということになろうかと思います。
 もっとも、取引先が上記対応をしてくれるか、という根本的な問題があります。

小規模事業者の特例

(1)小規模事業主は、②検索できる仕組みは不要となっています。つまり、メールさえ消さなければこの要件を満たすことになります。

(2)小規模事業主とは、前々年度(法人は前々事業年度)を基準期間とし、この期間の売上高が1000万円いかである個人事業主もしくは法人のことをいいます。

Contact.お問い合わせ

    ※個人情報の取り扱いについては、プライバシーポリシーをご覧ください。