後見制度のメリットとデメリット
2022/11/11
後見制度の仕組み
(1)裁判所に対し、「AさんがBさんの後見人になります。」と申し立てます。
(2)裁判所が認めれば、Aさんは後見人になれます。Aさんは、Bさんの家族でも、弁護士等の専門家でもかまいません。家族の場合には無償で、専門家の場合には、Bさんの財産から毎月の費用を支払うことになります。
(3)後見人となったAさんには、Bさんが施設に入院するとき等契約が必要なときには、その契約を代行する義務が発生します。
(4)後見人となったAさんは、Bさんの財産をBさんのために使います。お金の使い道は裁判所に許可を得たり、報告したりする義務があります。
(5)後見人のAさんは、Bさんが死亡するまで基本的には後見人を辞任できません。
後見制度のデメリット
(1)家族が後見人となるのであれば、裁判所に報告する文書を作るコストが発生します。
(2)専門家が後見人になる場合には、毎月のコストが発生してしまいます。
後見制度のメリット
(1)裁判所が関与しますので、被後見人(判断能力が低下した人)の財産をどのように使ったのか明確になります。
(2)兄弟仲が悪く、一方が父の身上監護をするために、お金を預かっていた場合に、他方から訴えられて訴訟になるケースがあります。このようなトラブルを防げます。
(3)施設、銀行、病院が「高齢者等の判断能力が低下した人とは直接契約できない。」と言い出したときには、後見制度を利用するメリットがでてきます。
事実上は、施設、銀行、病院が、高齢者等について、判断能力が低下していると判断したときには、家族に代筆させることを認めることが多く、あやふやな形で契約を進めているのが実情です。
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