【実務】送達
2025/04/05 更新
送達
(1)送達は、裁判所が当事者に対し、訴状、判決などの重要な訴訟資料を送る手続です。
(2)裁判所は、当事者の言い分を聞いて判決を下します。裁判所は、被告に訴状を送達して裁判の期日を知らせます。しかし、被告が裁判期日に出廷しない場合には、一方当事者の言い分だけで判決を下すことがあります。
(3)裁判所は当事者に判決を送達することがあります。民事訴訟の控訴期間は判決を受け取った日の翌日から2週間以内となっています。
(4)裁判手続において、重要な書類の送付は、送達という手段をとります。
例えば、反訴状や、訴えの変更申立書は、原告(反訴原告)が被告(反訴被告)に郵送するのではなく、裁判所に一度送った後に、裁判所が、送達の方法で被告(反訴被告)に送ります。
(5)これに対して、準備書面や証拠については、直接、FAXまたは郵送します。裁判所を介さずに、書類の送付するという意味で、直送(ちょくそう)とも呼ばれます。この場合にも、例えば、原告が被告に書類をFAXする場合には、裁判所と、被告の両方にFAXして同じものを送ります。
送達の種類
実務上、送達で多いのは、(1)特別送達、(2)裁判所書記官送達、(3)付郵便送達、(4)公示送達です。
特別送達
(1)特別送達では、郵便局の職員が被告の自宅等に行って、直接、被告等に書類を手渡します。もしくは、不在表を置いておき、被告等が郵便局に取り行きます。
そして、郵便局の職員は裁判所に対し、「書類を被告に渡した。」ことを報告します。
これによって、裁判所は、書類が被告に届いたことを確認します。
(2)これを特別送達と言い、実務的には原則的な送達方法です。
付郵便送達
(1)特別送達にて、訴状を送っても、相手が訴状を受け取らないケースがあります。その場合には、個人であれば住民票の住所を、法人であれば法人登記簿上の所在地を調査する必要があります。
例えば、原告の弁護士が被告の住所に行って、被告が住民票に住んでいることを確認できた場合には、そのことを裁判所に報告書をします。
具体的には、表札(住民票の氏名が表札に書かれていること)、郵便物(郵便物が溜まっておらず、誰かがちゃんと受け取っていること)、電気メーターが動いていること、近所の人から話を聞いて、報告します。
(2)「その場所に住んでいる。」との報告書があるので、裁判所は、被告のポストに書類が届いたことをもって送達完了とします。これを付郵便送達といいます(107条)。
公示送達
(1)公示送達では、原告の弁護士が住民票の住所を、法人であれば法人登記簿の上の所在地に行って、「被告が夜逃げして、どこにいるか分からない。」と裁判所に報告書を出します。
住民票上の住所(法人登記の状の住所)に他の人が入居していること(例えば、表札)や、近所の人から話を聞いて、報告します。
(2)公示送達では、「その人がどこに住んでいるか分からない。」ので、裁判所に呼出状を貼り付けることで、法律上「送達した」と扱います(110条)。
付郵便送達と、公示送達の違い (1)住民票上の住所(法人登記の状の住所)に行って、現地調査するまでは一緒です。 (2)「被告がその住所に住んであるが、居留守を使って、書類を受け取っていないだけである」場合には、付郵便送達となります。 (3)これに対して、被告がその住所におらず、所在不明であるとなれば、公示送達となります。 |
裁判所書記官送達
(1)裁判所書記官送達では、裁判所(裁判所書記官)が当事者に連絡して、裁判所まで書類を取りに来てもらいます。そして、当事者は裁判所で書類を受け取ったときに、受領書にサインします(100条)。
(2)判決や、和解書の場合には、この方法で送達する(当事者に渡す)ことも多いです。