交通事故と訴訟手続
2022/11/09
保険会社同士の話し合い
(1)交通事故の両当事者が任意保険に加入していた場合には、当事者本人に代わって保険会社(もしくは弁護士)が話し合いをします。
(2)話し合いが決裂すると、訴訟になります。
(3)訴訟になるとどうなるのでしょうか。
交通事故と訴訟
(1)裁判所には、弁護士が出頭します。したがって、当事者本(以下、「本人」という。)が裁判所に行く必要は基本的にありません。
(2)本人が裁判所に出向くとしても、尋問のときに1回だけです。
訴訟手続は基本的には、書面のやりとりで進みます。一方が書面を出し、その後に、他方がその書面の反論を出すということを繰り返します。
裁判所において、争いのある部分とない部分が整理され、争いのある部分について証拠に基づいて判断されます。例えば、事故状況に争いがあるとして、実況見分調書という証拠で、事故状況を認定していきます。
基本的には争いのない事実は事実として認定されます。争いのある部分については、客観的な証拠に基づいて、認定されます。
最後に残った部分について、当事者本人から意見を聞くことになります。本人から意見を聞くのは原則として1回だけです。これが尋問です。
(3)交通事故の場合、尋問前に和解することが多いです。
尋問前に裁判所が、「〇円ぐらいが妥当だと思う。」と説明をします。実際の金銭的負担は保険会社がすることになるために、この段階で決着することがほとんどです。
当事者本人の負担
(1)訴訟は、書面のやりとりで進みます。弁護士に反論を作ってもらう必要があります。
相手方の書面がでるたびに、弁護士事務所に行く必要があるかもしれません。
(2)前述したように、尋問になれば1回だけ、裁判所に行く必要があります。
当事者本人が負担してなくてよいこと
(1)基本的には、弁護士が代わりに裁判所に行きます。
(2)保険の免責事由がない限り、本人が金銭的な負担を負うことはありません。
(3)弁護士費用も保険から支出されることがほとんどです。(この点は保険会社に確認が必要です。)
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