この記事の要点まとめ
一部の相続人による全員分の請求、または遺産分割協議書を用いた特定の相続人への集約。
複数の相続人がいる場合のB型肝炎訴訟の進め方
B型肝炎で亡くなられた方の給付金をご遺族が請求する場合、請求権は「相続財産」として法定相続人に引き継がれます。しかし、配偶者や複数のお子様など、相続人が何人もいる場合、「全員が原告として裁判に参加しなければならないのか?」「遠方に住んでいる親族がいるけれど、どうすればよいのか?」と悩まれる方が多くいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、相続人が複数いる場合でも、代表して1人だけがB型肝炎訴訟を起こすことは可能です。その方法には、大きく分けていくつかのパターンがあります。
方法1:遺産分割協議書で代表者に権利を集約する
最もスムーズで一般的な方法は、「遺産分割協議」を行い、B型肝炎給付金に関する損害賠償請求権を特定の相続人(代表者)1人に譲渡・集約するという方法です。
この手続きを踏むことで、代表者1人だけが原告となって国を提訴することができます。他の相続人は裁判手続きに関わる必要がなく、書類の準備や裁判所への対応の手間を省くことができます。
給付金が支給された後の分配については、ご家族同士での話し合いに基づいて行われます。「裁判手続きは長男が代表して行い、受け取った給付金は兄弟で等分する」といった取り決めをしておくのが一般的です。
方法2:一部の相続人だけで全員分の請求を行う
遺産分割協議書を作成しなくても、一部の相続人が「全員のための代表」として訴訟を提起できる場合があります(保存行為に基づく請求)。ただし、この場合は手続きが複雑になることが多く、裁判所での取り扱いも厳密になるため、事前の慎重な法的手続きが必要です。
方法3:自分の相続分(法定相続分)だけを個別に請求する
もし、他の相続人と疎遠になっていたり、連絡が取れなかったりする場合、遺産分割協議を行うことができません。そのようなケースでは、ご自身の法定相続分にあたる給付金のみを単独で請求することが可能です。
例えば、給付金の総額が3,600万円で、配偶者と2人の子どもが相続人である場合、子どもの1人は自身の法定相続分(4分の1)にあたる900万円だけを国に請求して受け取ることができます。この手続きによって、他の親族に迷惑をかけたり、無理に連絡を取ったりする必要はありません。
親族間のトラブルを防ぐために
お金に関わる手続きである以上、相続人間での事前の話し合いと合意形成が非常に重要です。代表者1人が訴訟を進める場合でも、誰が手続きの負担を負うのか、弁護士費用はどう精算するのか、最終的な給付金をどのように分けるのかを明確にしておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
また、訴訟の手続きにあたっては、亡くなられた方の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本や、相続人全員の戸籍など、膨大な公的書類の収集が必要になります。
まずは専門家にご相談を
相続人が複数いて手続きの進め方に迷われている場合や、戸籍の収集に不安がある場合は、弁護士のサポートを受けることをお勧めします。専門家が間に入ることで、必要書類の収集から複雑な法的手続きまで、ご遺族の負担を大幅に軽減できます。
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