提訴期限:2027年3月31日 制度解説 ❯

死因が「肝がん」や「肝硬変」ではない:直接死因が別でもB型肝炎給付金をもらえる?

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「死亡診断書の直接死因が心不全や老衰ですが、B型肝炎の給付金はもらえますか?」
A 【受給の可能性と立証のポイント】死亡診断書の直接死因が肝疾患以外(心不全や老衰など)であっても、亡くなられる直前まで肝がんや進行した肝硬変を発症していた事実がカルテや検査データ等の医学的資料で証明できれば、B型肝炎給付金の受給対象となります。
【専門弁護士への相談の重要性】直接死因と肝疾患との因果関係を証明するには、膨大な医療記録の読み解きと専門的な主張が必要不可欠です。自己判断せず、B型肝炎訴訟に精通した弁護士に一度ご相談ください。

死因が肝疾患以外でも給付金を受け取れる可能性

B型肝炎で亡くなられた方のご遺族が国に対して給付金を請求する際、「死亡診断書の直接死因が『肝がん』や『肝硬変』ではなく、『心不全』や『肺炎』『老衰』になっている場合、給付金はもらえないのではないか?」と不安に思われる方が多くいらっしゃいます。

結論から申し上げますと、直接の死因が肝臓の病気でなかったとしても、B型肝炎給付金(死亡慰謝料)を受け取れる可能性は十分にあります。重要なのは、「B型肝炎が原因で引き起こされた肝硬変や肝がんが、死期を早める大きな要因(因果関係)になったかどうか」です。

死亡との「因果関係」を証明するポイント

B型肝炎訴訟における「死亡」の給付金(最大3,600万円)が認められるためには、B型肝炎ウイルスの持続感染と死亡との間に法的な因果関係が認められなければなりません。

例えば、以下のようなケースでは因果関係が認められやすい傾向にあります。

  • 末期の肝がんを患っており、体力が著しく低下した結果、肺炎を併発して亡くなったケース

  • 重度の肝硬変によって多臓器不全や心不全を引き起こしたケース

これらの場合、直接的な死因の名称が何であれ、根本的な原因がB型肝炎による肝臓の機能低下にあると医学的に説明できれば、死亡としての給付金対象となります。

別の病気や事故が直接死因である場合

一方で、交通事故や全く関係のない別の病気(例:胃がんや脳卒中など)が直接の死因であり、肝臓の状態がそこまで悪化していなかった場合は、B型肝炎と死亡との因果関係を証明するのは困難になります。

ただし、その場合でも「死亡」としての給付金は認められなくても、生前に発症していた病態(慢性肝炎や肝硬変、肝がんなど)に応じた給付金をご遺族が相続人として請求することは可能です。例えば、生前に重度の肝硬変を発症していたことが証明できれば、肝硬変に該当する金額の給付金を請求できます。

専門的な医学判断が必要なため弁護士へご相談を

死因とB型肝炎の因果関係を証明するためには、死亡診断書だけでなく、亡くなる直前のカルテや検査数値、主治医の意見書などを総合的に分析し、医学的・法的な観点から裁判所に主張する必要があります。これはご遺族だけで行うのは非常に困難な作業です。

「死因が違うから」と自己判断で諦めてしまう前に、まずは法律と医療の両方に詳しい専門家へ確認することが大切です。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

TOP