胃がん・大腸がん・乳がん等「他のガン」の既往歴がある場合の原発性肝がん立証
他の臓器からの転移性肝がんではなく、B型肝炎起因の「原発性肝細胞がん」である証明。
原発性肝細胞がんと転移性肝がんの違い
B型肝炎ウイルスへの持続感染は、長期にわたって肝臓に炎症を引き起こし、やがて慢性肝炎、肝硬変、そして肝がん(肝細胞がん)へと進行するリスクを伴います。B型肝炎訴訟において、肝がんを発症された方は最も重い病態区分として高額な給付金(最大3,600万円等)の対象となる可能性があります。
しかし、一口に「肝臓のがん」と言っても、給付金の対象となるためには、それがB型肝炎ウイルスに起因する「原発性肝細胞がん」であることを医学的に証明する必要があります。ここで重要になるのが、「転移性肝がん」との鑑別です。
なぜ「原発性」であることを証明する必要があるのか?
肝臓に発生するがんには、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。
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原発性肝がん(主に肝細胞がん):肝臓そのものの細胞から発生したがん。B型肝炎やC型肝炎ウイルスの感染が主な原因となることが多い。
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転移性肝がん:胃、大腸、肺など、他の臓器で発生したがん細胞が血液の流れに乗って肝臓に運ばれ、そこで増殖したがん。
B型肝炎の給付金は、集団予防接種等によって感染したB型肝炎ウイルスが原因で発症した病態に対して支払われます。したがって、もし肝臓に見つかったがんが、他の臓器(例えば大腸や胃など)から転移してきた「転移性肝がん」であった場合、そのがんの直接的な原因はB型肝炎ウイルスではないと判断されてしまい、肝がんとしての給付金対象にはなりません(その場合でも、慢性肝炎や肝硬変としての給付金対象になる可能性はあります)。
そのため、現在の病態が間違いなくB型肝炎に起因する「原発性肝細胞がん」であることを、国に対して明確に立証することが不可欠となります。
原発性肝細胞がんを証明するための医療記録
原発性肝細胞がんであることの証明は、主治医の診断書や各種の検査記録などを総合的に用いて行います。具体的には以下のような記録が重要となります。
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画像診断(CT、MRI、エコー等)のレポート:腫瘍の形状、造影剤の染まり方(濃染やウォッシュアウトなど)、肝臓内の血管との位置関係などから、原発性か転移性かを判断する所見が記載されています。
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腫瘍マーカーの数値:血液検査におけるAFP、PIVKA-IIなどの数値は、原発性肝細胞がんで特徴的に上昇することが多く、重要な指標となります。
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病理組織検査(生検)や手術記録:がんの組織を直接採取して顕微鏡で調べる病理検査の結果や、手術時の記録は、がんの種類を確定する上で非常に有力な証拠となります。
これらの記録から「他の臓器に原発巣(がんの発生源)がないこと」や「腫瘍の性質が肝細胞がんであること」を論理的に整理し、主張していく必要があります。
複雑な医療記録の収集と立証は専門家へ
がんの診断プロセスは複雑であり、ご自身のカルテや検査レポートを取り寄せたとしても、専門的な医学用語が多く、どの部分が「原発性であることの証明」に役立つのかを判断するのは困難です。また、過去に他のがんを患ったことがある方(重複がんのケース)などは、立証作業がより一層難しくなる傾向にあります。
給付金の請求手続きをスムーズに進め、適正な結果を得るためには、医療記録の読み解きと法的主張の組み立てに長けた弁護士のサポートが不可欠です。ご自身の病態について不安や疑問がある場合は、一人で悩まずにまずは専門家にご相談ください。
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