過去に「劇症肝炎(急性肝不全)」を発症して救命された方の病態認定と給付金
急性肝炎の重症化(劇症化)と慢性持続感染の急性増悪の鑑別、病態(慢性肝炎等)の判定。
急性増悪と急性肝炎の違いについて
B型肝炎訴訟において国から給付金を受け取るためには、ご自身の病態がどの段階(無症候性キャリア、慢性肝炎、肝硬変、肝がんなど)にあるかを正確に判定し、国に対して証明する必要があります。
この病態の判定において、特に慎重な確認が求められるケースの一つが、「短期間で急激に肝機能が悪化した」というエピソードがある場合です。このような症状が出た際、それが「急性肝炎の重症化」なのか、それとも「慢性持続感染の急性増悪(きゅうせいぞうあく)」なのかによって、法律上の扱いや必要な立証方針が大きく変わってきます。
なぜ両者の鑑別が必要なのでしょうか?
B型肝炎の給付金は、あくまで「幼少期の集団予防接種等によるウイルスの持続感染(キャリア化)」によって引き起こされた病態に対して支払われます。
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急性肝炎の場合:大人になってから新たにB型肝炎ウイルスに感染(一過性感染)し、急激な症状が出た場合などがこれに当たります。この場合、集団予防接種等とは因果関係がないとみなされ、給付金の対象とはなりません。
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慢性持続感染の急性増悪の場合:幼少期からウイルスに持続感染していた(キャリアであった)方が、長期間無症状だったにもかかわらず、何らかのきっかけでウイルスが急激に増殖し、強い肝炎症状を引き起こすケースです。こちらは集団予防接種等による感染の延長線上にあるため、給付金の対象となります。
つまり、急激な肝機能の悪化が見られた場合、それが「大人になってからの新規感染」によるものではないことを証明するために、両者の厳密な鑑別が必要不可欠となるのです。
鑑別と病態判定のための重要な医療記録
「急性増悪」であることを証明し、正当な病態区分の判定を受けるためには、当時の状況を詳細に記録した医療データが必要となります。主に以下のような記録に着目して立証を行います。
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抗体検査の推移(IgM型HBc抗体など):急性肝炎の初期に特異的に高く上昇するIgM型HBc抗体の数値などを確認します。持続感染の急性増悪の場合、この数値の上がり方が急性肝炎とは異なるパターンを示すことが多く、重要な鑑別ポイントとなります。
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発症以前の血液検査記録:症状が出る前の健康診断などで、すでにB型肝炎キャリアであったこと(HBs抗原陽性など)を示す記録があれば、新規感染ではないことの強力な証拠となります。
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肝生検や画像診断の結果:肝臓の組織を顕微鏡で調べる肝生検において、慢性肝炎に特有の線維化(組織が硬くなる変化)が確認されれば、急に発症したものではなく慢性的な感染がベースにあることが証明できます。
複雑な病態の立証は専門家に相談を
急激な肝炎の症状(劇症化など)を経験された方の中には、当時の辛い記憶や記録の散逸から、「自分は急性肝炎だったから給付金の対象にならないかもしれない」と思い込んでしまっている方もいらっしゃいます。
しかし、医療記録を丁寧に紐解き、医学的な見地から専門家が正しく分析・主張を行うことで、「慢性持続感染の急性増悪」として認められ、給付金を受け取れるケースは決して少なくありません。病態の判定や過去の記録の読み解きは非常に複雑ですので、ご自身で判断を急ぐ必要はありません。
過去に急激な肝機能の悪化を指摘されたことがある方も、まずは法律の専門家にご相談いただき、適切な見通しを立てることをお勧めします。
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