【その後の支援】無症候性キャリアの方(20年経過後の50万円受給者を含む)を対象に、病態の早期発見を目的とした年2回の定期検査費用の公費助成制度などが用意されています。なお、特措法に基づく提訴期限は2027年3月31日となっています。
B型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリア)の方やそのご遺族を対象とした給付金制度について、正確な法律上の要件や手続きを把握することは非常に重要です。
特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法(特措法)に基づく国家賠償請求訴訟および和解手続きには、厳格な法律上の基準が定められています。本記事では、給付金の基本的な仕組みや、無症候性キャリアに対する国の支援制度について解説します。
B型肝炎給付金制度の基本概要
集団予防接種等における注射器の連続使用によりB型肝炎ウイルスに感染したとされる方を対象に、国との間で和解が成立した場合、病態に応じた給付金が支給されます。
一次感染者の対象生年月日は昭和16年(1941年)7月2日〜昭和63年(1988年)1月27日生まれであり、満7歳に達するまでの間に集団予防接種等を受けたことが要件となります。また、母親からの母子感染ではないこと(母親がHBs抗原陰性であること、または年長きょうだいの全員等がHBs抗原陰性であること等による代替立証)を証明する必要があります。
病態ごとの給付金額および除斥期間(発症等から20年)の基準は以下の通りです。
- 無症候性キャリア:感染から20年以内=600万円、20年経過=50万円
- 慢性肝炎:発症から20年以内=1,250万円、20年経過=150万〜300万円
- 軽度肝硬変(代償性):発症から20年以内=2,500万円、20年経過=600万円
- 重度肝硬変(非代償性):発症から20年以内=3,600万円、20年経過=900万円
- 肝がん・死亡:発症・死亡から20年以内=3,600万円、20年経過=900万円
※弁護士費用補助手当として、上記の給付金額の4%が上乗せして支給されます。 ※無症候性キャリアとして和解した後に、将来慢性肝炎や肝がん等を発症・進展した場合は、追加給付(差額支給)を請求することが可能です。
無症候性キャリアに対する定期検査費用の助成制度
無症候性キャリアの方は自覚症状がないことが多いですが、将来的に慢性肝炎や肝がん等へ移行するリスクを否定できません。そのため、早期発見・早期治療を目的として、和解後に活用できる公的な医療支援制度が整備されています。
社会保険診療報酬支払基金などを通じて、無症候性キャリア(20年経過後の50万円受給者も含みます)を対象に、年2回の定期検査費用(血液検査や超音波検査等)の助成を受けることができます。これにより、経済的な負担を軽減しながら継続的な健康管理を行うことが可能です。
特措法に基づく提訴期限の重要性
B型肝炎給付金の支給を受けるためには、国を相手取って国家賠償請求訴訟を提起し、裁判上の和解を成立させる必要があります。
特措法に基づく裁判手続きの提訴期限は、2027年3月31日までと法律で定められています。期限を過ぎてしまうと、要件を満たしていても給付金を受け取ることができなくなるため、該当する可能性がある方は早めの準備と専門家への相談が極めて重要です。
まとめ
B型肝炎給付金制度は、過去の集団予防接種等によって被害を受けられた方々を救済するための重要な法制度です。正確なカルテの収集や病態の証明、母子感染否定の立証など、法的・医学的な専門知識が求められる手続きとなります。
ご自身やご家族が対象に該当するかどうか不安な場合や、具体的な書類収集の方法でお悩みの方は、厚生労働省の相談窓口や、B型肝炎訴訟に精通した弁護士などの専門家に相談されることをお勧めします。

