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和解成立後に「慢性肝炎・肝がん」へ病態が進行した場合の「追加給付金」申請手続き

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「B型肝炎訴訟で和解後に症状が悪化した場合、追加の給付金はもらえますか?」
A 【追加給付金の請求手続き】和解成立後に慢性肝炎や肝がん等へ病態が進行した場合、改めて裁判を起こす必要はありません。過去の和解調書を添えて「社会保険診療報酬支払基金」へ直接申請を行うことで、既に受給した金額との差額分を給付金として受け取ることが可能です。
【申請のポイントと弁護士の活用】申請には医師の診断書や病態の進行を証明する資料が必要です。手続きは裁判よりも簡略化されていますが、医学的根拠の整理や書類の不備を防ぐため、当初の和解を担当した弁護士やB型肝炎訴訟に精通した専門家へ相談することで、より確実に、かつスムーズに差額受給の手続きを進めることができます。

B型肝炎訴訟において「無症候性キャリア」として和解し、すでに給付金(50万円等)を受け取った方であっても、将来もし肝炎の症状が進行してしまった場合には、追加で給付金を受け取ることができる制度があります。

ここでは、和解成立後に「慢性肝炎」や「肝硬変」、「肝がん」へと病態が進行してしまった場合の「追加給付金(差額請求)」の仕組みと、その申請手続きについて詳しく解説します。

追加給付金(差額請求)の仕組みとは

B型肝炎の給付金は、和解時の病態(症状の重さ)に応じて金額が定められています。無症候性キャリアとして和解した時点では、症状が出ていない状態での給付金が支払われますが、B型肝炎ウイルスは体内に潜伏し続け、数年〜数十年後に肝疾患を発症するリスクがあります。

もし、和解後に病態が悪化してしまった場合、国は「新たに進行した病態に応じた給付金額」から「すでに受け取った給付金額」を差し引いた差額を、追加の給付金として支給する制度を設けています。

追加給付の例

  • 無症候性キャリア(50万円受給済み)から、慢性肝炎(例:1250万円※発症からの期間による)へ進行した場合。

  • この場合、規定の金額から既受給額の50万円を差し引いた金額が、追加給付金として支払われます。

差額請求の大きなメリット:再度裁判を行う必要がない

この追加給付金の請求における最大のメリットは、原則として再度裁判を起こす必要がないという点です。

最初の訴訟で国と和解が成立した際に、「あなたが国の集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染した」という因果関係はすでに法的に証明・合意されています。そのため、病態が進行した場合は、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)に対して直接、書面による申請を行うだけで追加の給付金を受け取ることができます。

追加給付金の申請手続きの流れ

追加給付金を受け取るための手続きは、概ね以下の流れで進行します。

  1. 病態進行の診断:定期検査等で、医師から「慢性肝炎」「肝硬変」「肝がん」等の確定診断を受けます。

  2. 診断書等の取得:国が指定する所定のフォーマットによる「診断書」や、病態を証明するための医療記録(血液検査結果、画像データ等)を主治医に作成してもらいます。

  3. 支払基金への支給請求:支払基金に対して、「追加給付金等の支給請求書」に診断書や過去の和解調書の写しなどの必要書類を添えて郵送します。

  4. 審査と追加給付金の支給:支払基金での医学的審査を経て、新たな病態が認定されると、ご指定の口座に差額分の給付金が振り込まれます。

まとめ

無症候性キャリアとしての和解は、一度給付金をもらって終わりではなく、将来の万が一の事態に対する「強力な保険」としての役割も果たします。万が一症状が進行した際にも、スムーズに十分な補償を受けられるよう、まずは最初の和解手続きを完了させておくことが極めて重要です。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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