この記事の要点まとめ
無症候性から発症した際、過去の和解調書を元に裁判なし(支払基金への申請)で差額受給する手順。
B型肝炎訴訟において「無症候性キャリア」として和解し、すでに給付金(50万円等)を受け取った方であっても、将来もし肝炎の症状が進行してしまった場合には、追加で給付金を受け取ることができる制度があります。
ここでは、和解成立後に「慢性肝炎」や「肝硬変」、「肝がん」へと病態が進行してしまった場合の「追加給付金(差額請求)」の仕組みと、その申請手続きについて詳しく解説します。
追加給付金(差額請求)の仕組みとは
B型肝炎の給付金は、和解時の病態(症状の重さ)に応じて金額が定められています。無症候性キャリアとして和解した時点では、症状が出ていない状態での給付金が支払われますが、B型肝炎ウイルスは体内に潜伏し続け、数年〜数十年後に肝疾患を発症するリスクがあります。
もし、和解後に病態が悪化してしまった場合、国は「新たに進行した病態に応じた給付金額」から「すでに受け取った給付金額」を差し引いた差額を、追加の給付金として支給する制度を設けています。
追加給付の例
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無症候性キャリア(50万円受給済み)から、慢性肝炎(例:1250万円※発症からの期間による)へ進行した場合。
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この場合、規定の金額から既受給額の50万円を差し引いた金額が、追加給付金として支払われます。
差額請求の大きなメリット:再度裁判を行う必要がない
この追加給付金の請求における最大のメリットは、原則として再度裁判を起こす必要がないという点です。
最初の訴訟で国と和解が成立した際に、「あなたが国の集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染した」という因果関係はすでに法的に証明・合意されています。そのため、病態が進行した場合は、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)に対して直接、書面による申請を行うだけで追加の給付金を受け取ることができます。
追加給付金の申請手続きの流れ
追加給付金を受け取るための手続きは、概ね以下の流れで進行します。
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病態進行の診断:定期検査等で、医師から「慢性肝炎」「肝硬変」「肝がん」等の確定診断を受けます。
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診断書等の取得:国が指定する所定のフォーマットによる「診断書」や、病態を証明するための医療記録(血液検査結果、画像データ等)を主治医に作成してもらいます。
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支払基金への支給請求:支払基金に対して、「追加給付金等の支給請求書」に診断書や過去の和解調書の写しなどの必要書類を添えて郵送します。
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審査と追加給付金の支給:支払基金での医学的審査を経て、新たな病態が認定されると、ご指定の口座に差額分の給付金が振り込まれます。
まとめ
無症候性キャリアとしての和解は、一度給付金をもらって終わりではなく、将来の万が一の事態に対する「強力な保険」としての役割も果たします。万が一症状が進行した際にも、スムーズに十分な補償を受けられるよう、まずは最初の和解手続きを完了させておくことが極めて重要です。
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