【専門家による証拠の精査と立証戦略】個別の検査数値が発症の根拠として認められるかは、専門的な判断を要します。弁護士に相談し、手元にある資料から最大限の証拠価値を引き出し、給付金請求を有利に進めるための戦略を立てることが重要です。
発症日を特定するための証拠集めの難しさ
B型肝炎訴訟において、給付金の額を決定する上で非常に重要になるのが「発症日(最初にその病気と診断された日)」です。この日から20年が経過しているかどうかで、受け取れる金額が大きく変わります。
発症日を国に証明するためには、当時の医療記録が不可欠です。しかし、法律上、カルテの保存期間は5年と定められており、古いカルテは病院ですでに破棄されてしまっているケースが多々あります。カルテが存在しない場合、発症日をどのように特定し、証明すればよいのでしょうか。
カルテの代替手段となる「お薬手帳」
カルテが見つからない場合、ご自身で保管されている過去の資料が強力な証拠となることがあります。その代表例が「お薬手帳」です。
お薬手帳には、いつ、どの病院で、どのような薬が処方されたかが記録されています。たとえば、B型肝炎の治療に特有の抗ウイルス薬や肝庇護剤などが処方された記録が残っていれば、「少なくともこの時期には慢性肝炎の治療を行っていた」という客観的な事実を証明することができます。
職場の健康診断結果も重要な記録に
もう一つ、非常に価値があるのが「職場の健康診断結果」です。
健康診断の血液検査には、肝機能を示す「GOT(AST)」や「GPT(ALT)」といった数値の項目が含まれています。カルテがなくても、過去の健康診断の記録に長期間にわたってこれらの数値の異常が記録されており、かつB型肝炎ウイルスに感染していることがわかれば、「この時期にはすでに慢性肝炎を発症していた」と推測するための有力な手掛かりとなります。
これらの資料は、カルテ紛失による「起算点の後退(本来の発症日よりも後の日付で計算され、20年が経過したとみなされてしまうリスク)」を防ぐために非常に役立ちます。過去の資料が少しでも残っていないか、ご自宅の中を一度探してみることを強くお勧めします。
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