提訴期限:2027年3月31日 制度解説 ❯

B型肝炎訴訟の途中で苗字が変わったら?
当事者表示変更申出書の書き方と手続きを弁護士が解説

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q B型肝炎訴訟の途中で結婚して苗字が変わった場合、どのような手続きが必要ですか?
A 【手続きの要点】訴訟中に氏名が変更された場合、裁判所に対して「当事者表示変更申出書」を提出し、訴訟上の氏名を現在のものに更新する必要があります。これを怠ると、判決や和解調書に旧姓が記載され、給付金の振込手続きや本人確認で支障をきたす恐れがあるため、速やかな届け出が不可欠です。
【対策と弁護士の役割】変更を証明するために、旧姓と新姓の両方が記載された戸籍謄本(全部事項証明書)の提出が求められます。弁護士に依頼していれば、これらの書類収集や裁判所への申出書作成・提出をすべて代行できるため、手続きの漏れやミスを防ぎ、給付金受給までのプロセスを円滑に進めることが可能です。

裁判中に苗字が変わった場合の手続き

B型肝炎訴訟は、提訴から和解が成立して給付金が支給されるまでに、平均して1年〜1年半程度の期間がかかることがあります。その長い裁判の途中で、ご結婚やご離婚、あるいは養子縁組などによって、原告(訴えを起こしているご本人)の苗字(氏)が変わることは珍しくありません。

訴訟の途中で氏名や住所に変更があった場合、そのまま放置しておくと、裁判所からの重要な書類が届かなくなったり、最終的な和解調書(裁判の結果を記した公的な書類)に記載される氏名と現在の氏名が食い違ってしまい、給付金の受け取り手続きに支障をきたす恐れがあります。

そのため、苗字が変わった際には、速やかに裁判所へ変更の事実を届け出る必要があります。

「当事者表示変更申出書」の提出

氏名や住所が変わった際に、裁判所に対して行う正式な手続きが「当事者表示変更申出書(とうじしゃひょうじへんこうもうしでしょ)」の提出です。

これは、「裁判の当事者(原告)の表示(名前や住所)がこのように変わりました」ということを裁判所に知らせるための書類です。この申出書を提出することで、それ以降の裁判手続きは新しい苗字(新氏)で進められることになります。

手続きに必要な書類

当事者表示変更申出書を提出する際には、ただ書類を書くだけではなく、「確かに苗字が変わった」という公的な証明を添える必要があります。

具体的には以下の書類が必要です。

  • 新しい戸籍謄本(または戸籍全部事項証明書):結婚や離婚によって新しい戸籍が作られたり、記載が変更されたりしたことが確認できるもの。

  • 住民票(場合による):住所も同時に変更になった場合には、新しい住所が記載された住民票も必要になります。

これらの公的書類を自治体の窓口や郵送で取得し、申出書とともに裁判所へ提出します。

速やかな対応がスムーズな和解への鍵

結婚などで生活環境が変わり、お忙しい時期かと存じますが、氏名変更の手続きは後回しにせず、できるだけ早く行うことが大切です。和解の直前になって慌てて手続きをすると、裁判の期日が延期になってしまう可能性もあります。

弁護士に訴訟を依頼している場合は、ご自身で裁判所へ出向く必要はありません。「苗字が変わりました」と弁護士に報告し、新しい戸籍謄本などを渡すだけで、面倒な書類の作成や提出の手続きはすべて弁護士が代行いたします。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

TOP