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B型肝炎訴訟で他科のカルテ提出を求められたら?
理由とプライバシーを守るマスキング方法

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q B型肝炎訴訟で他科のカルテ提出を求められた際、プライバシーを守るために黒塗り(マスキング)はできますか?
A 【他科カルテ提出の理由とマスキングの可否】国から他科のカルテ提出を求められるのは、B型肝炎の感染原因や病状の進行度を医学的に証明するためです。訴訟に関係のない診療科や、プライバシーに深く関わる精神科・心療内科等の記録については、弁護士と相談の上、必要最小限の範囲でマスキング(黒塗り)を施して提出することが可能です。
【適切な対応と弁護士の役割】自己判断で過度に黒塗りを行うと、証拠能力が否定され、不備補正の対象となるリスクがあります。弁護士は、医学的知見に基づき「訴訟に不可欠な情報」と「保護すべきプライバシー」を精査し、裁判所や国に対して正当な根拠を持ってマスキングの範囲を調整します。手続きを円滑に進めるためにも、必ず専門家に相談し、適切な形式で提出してください。

他科のカルテ提出が求められる理由

B型肝炎訴訟において、基本的には内科や消化器科など、肝臓に関する診療記録(カルテ)を提出します。しかし、場合によっては産婦人科、精神科、整形外科など、肝疾患とは直接関係がないように思える「他科」のカルテの提出を求められることがあります。

これはなぜでしょうか。国側は、B型肝炎の感染ルートが集団予防接種以外にないか、あるいは肝炎の症状が他の病気や薬の影響によるものではないかを慎重に確認する必要があります。例えば、外科の手術記録に輸血の記載がないか、産婦人科の記録に母子感染のリスクを示す記載がないかを確認するためです。

プライバシーを保護するための「マスキング(黒塗り)」

他科のカルテには、ご自身の極めてデリケートな個人情報や、B型肝炎訴訟には全く無関係なプライバシーに関わる記載が含まれていることが多くあります。精神的な悩みの相談内容や、婦人科系の詳細な記録などをそのまま裁判所に提出することには、強い抵抗を感じられるのが当然です。

このような場合、裁判所への提出前に、訴訟に関係のないプライバシー部分を伏せる「マスキング(黒塗り)」という手続きを行うことが認められています。

マスキングが認められる範囲

マスキングをしてよいのは、あくまで「B型肝炎の要件確認に全く影響を与えない」個人的な情報に限られます。例えば以下のような情報です。

  • 精神科における具体的なカウンセリング内容や、肝疾患に影響を与えない投薬履歴

  • 産婦人科における、B型肝炎の母子感染の有無とは無関係な個人的な相談記録や治療内容

  • その他、肝炎の病態や感染経路と無関係な身体的特徴や家族のプライバシー情報

マスキングを行う際の注意点

自己判断で過剰に黒塗りをしてしまうと、国から「確認に必要な部分まで隠されている」と指摘され、かえって再提出や不備補正を求められる原因になります。「どこを隠してよくて、どこを残さなければならないのか」の線引きは、過去の裁判例や国の審査基準に照らし合わせて慎重に判断する必要があります。

専門家による適切な処理で安心を

プライバシーを守りながら、必要な証拠を的確に提出するためには、弁護士のサポートが不可欠です。弁護士は、提出予定のすべての医療記録に目を通し、マスキングすべき箇所を適切に判断した上で裁判所へ提出します。ご自身の見られたくない情報が不必要に開示されることはありませんので、どうぞご安心ください。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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