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離婚して疎遠な元夫の医療データは収集できる?
B型肝炎訴訟の弁護士会照会活用法

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 離婚して疎遠になった父親の医療データは、母親単独で集めることができますか?
A 【収集の可否】はい、親権者である母親単独でも、弁護士会照会を利用して離婚した夫(一次感染者)の過去の医療データを収集することが可能です。
【弁護士活用のメリット】連絡が取れない家族がいる場合でも、弁護士を通じてカルテや血液検査結果をスムーズに集めることができ、B型肝炎給付金の請求手続きを円滑に進められます。

離婚した夫(元夫)がB型肝炎ウイルスに感染していた場合

お子様がB型肝炎ウイルスに感染しており、その原因が「父親からの感染(父子感染)」あるいは「父親が一次感染者であり、その遺伝等の事情が関係している」ケースにおいて、お父様の医療記録が手続き上必要になることがあります。

しかし、すでにご夫婦が離婚されており、お父様(元夫)と長年疎遠になっている場合、お父様の過去の血液検査結果やカルテを直接お願いして取得するのは非常に困難です。「連絡先も分からないし、関わりを持ちたくない」というご事情を抱えられているお母様は少なくありません。

親権者であるお母様が、お子様の将来のためにB型肝炎給付金の手続きを進めたいと考えたとき、元夫の協力が得られない状況をどのように乗り越えればよいのでしょうか。

弁護士会照会(23条照会)を活用した証拠収集

元夫と直接連絡を取ることなく、過去の医療データ(カルテや血液検査の結果など)を集めるための強力な手段として、「弁護士会照会(通称:23条照会)」という制度があります。

弁護士会照会とは、弁護士法第23条の2に基づき、弁護士が受任している事件について必要な事実を調査するため、所属する弁護士会を通じて官公庁や企業、医療機関などに対して情報の開示を求める公的な制度です。

医療機関への照会手続きの流れ

1. 過去の通院歴のヒアリング お母様のご記憶を頼りに、元夫が過去に通院・入院していた病院名や、健康診断を受けていた時期・場所などを可能な範囲で絞り込みます。

2. 弁護士会を通じたカルテ・検査結果の開示請求 特定した医療機関に対し、弁護士会を通じて医療記録の開示を求めます。通常、他人の医療情報は厳格な個人情報として保護されていますが、お子様の正当な権利行使(B型肝炎給付金の請求)のために必要不可欠な証拠であると法的に認められれば、医療機関側が開示に応じてくれるケースがあります。

3. 裁判所への提出 開示された医療記録から、元夫のB型肝炎ウイルスの感染状況(HBs抗原陽性など)を証明できるデータが見つかれば、それをお子様の給付金請求のための重要な証拠として国(裁判所)に提出します。

親権者単独でも手続きは進められます

未成年のお子様が原告となって裁判を起こす場合、原則として法定代理人である親権者が手続きを代行します。 離婚によってお母様が単独で親権を持っている場合、元夫(父親)の同意や署名をもらうことなく、お母様の判断だけで弁護士に依頼し、お子様の給付金請求手続きを進めることができます。元夫と顔を合わせたり、直接交渉したりする必要は一切ありません。

まとめ:元夫と疎遠でも諦めないでください

お子様のB型肝炎給付金の手続きを進める上で、離婚した元夫の医療記録が必要になったとしても、ご自身で無理に連絡を取る必要はありません。弁護士の職務権限である「弁護士会照会」などを適切に活用することで、必要な証拠を集められる可能性は十分にあります。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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