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昭和60年(1985年)〜昭和63年1月27日生まれ:母子感染防止事業開始前後の微妙な判定

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 昭和60年から昭和63年1月27日までに生まれた場合、母子感染防止事業の前後であってもB型肝炎訴訟の対象になりますか?
A 【判定のポイントと対象可能性】昭和60年から昭和63年1月27日までに生まれた方も、要件を満たせばB型肝炎訴訟の対象となります。この時期は「母子感染防止事業」の過渡期にあたり、母親からの母子感染ではないこと(二次感染の証明など)や、集団予防接種等での注射器の連続使用等による感染経路の立証が複雑になる傾向があります。
【受給に向けた対策と弁護士の役割】複雑な判定をクリアして給付金を受給するためには、母子手帳やカルテなど当時の状況を示す資料を網羅的に集めることが不可欠です。自己判断せず、B型肝炎訴訟に精通した弁護士へ早期に相談し、適切な立証サポートを受けることが確実な解決への近道となります。

はじめに

B型肝炎給付金の対象者は、直接集団予防接種等で感染した「一次感染者」だけではありません。その一次感染者から母子感染した「二次感染者」の方も給付金の対象となります。本記事では、昭和60年に開始された「母子感染防止事業」の実施有無と、二次感染の立証におけるポイントについて解説いたします。

昭和60年開始の「母子感染防止事業」とは

日本では、B型肝炎の母子感染を防ぐため、昭和60年(1985年)から「母子感染防止事業」が開始されました。この事業では、妊婦のB型肝炎ウイルス検査を実施し、キャリアであった場合には、出生直後の赤ちゃんに対してワクチン等の投薬(HBIGやB型肝炎ワクチンの接種)を行うこととされました。 この事業の開始により、昭和61年以降に生まれた方の母子感染率は激減しています。

二次感染の立証における事業の影響

二次感染者として給付金を請求する場合、ご自身が「母親からの母子感染」であることを証明する必要があります。しかし、昭和60年以降に生まれた方の場合、上記の母子感染防止事業が実施されていたため、「なぜ事業の対象にならなかったのか(あるいは投薬を受けたにもかかわらず感染したのか)」が論点となることがあります。 具体的には、以下のいずれかに該当することを証明する必要があります。

  • 母親が母子感染防止事業による検査を受けていなかったこと。

  • 検査を受けたが、何らかの理由でワクチン等の適切な処置を受けられなかったこと。

  • 適切な処置を受けたにもかかわらず、感染を防ぐことができなかったこと。

医療記録の確認が不可欠です

これらの事実を立証するためには、当時の母子手帳の記録や、母親が通院していた産婦人科の医療記録(カルテ)などが重要な証拠となります。昭和60年以降の生まれで二次感染を疑われる方は、まずこれらの記録が残っているかを確認することが第一歩となります。

おわりに

母子感染防止事業が実施された年代の二次感染の立証は、専門的な証拠収集が求められます。 B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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