「父子感染の可能性が否定できない」と国から指摘された場合の塩基配列比較
父親がキャリアである場合、原告と父親のウイルスの塩基配列(分子系統解析)不一致の提出。
父子感染の可能性と国の反論
B型肝炎訴訟において給付金を受け取るためには、「集団予防接種等によって感染したこと」を証明する必要があり、そのためには母子感染など他の感染経路を否定しなければなりません。通常は母親の血液検査結果などを提出しますが、もしあなたの父親がB型肝炎ウイルスのキャリア(持続感染者)であることが判明した場合、国から「父親からの感染(父子感染)の可能性があるのではないか」と反論されることがあります。 父親がキャリアであるという事実だけで直ちに要件不該当となるわけではありませんが、父子感染ではないことを医学的に立証する必要があります。
ウイルスの塩基配列解析(分子系統解析)とは
父子感染の疑いを晴らすために最も有効な手段が、「ウイルスの塩基配列解析(分子系統解析)」と呼ばれる特殊な血液検査です。 B型肝炎ウイルスは、感染者の体内で増殖する過程で少しずつ遺伝子の塩基配列が変化(突然変異)していく性質があります。もし、父親からあなたへ直接ウイルスが感染(父子感染)したのであれば、あなたと父親の体内にあるウイルスの遺伝子配列は非常に似通ったものになるはずです。 逆に言えば、あなたと父親のウイルスの塩基配列を比較し、「一致していない(別系統のウイルスである)」ことが証明できれば、父親から感染したのではない(父子感染ではない)という有力な証拠になります。
解析検査の実施と証拠提出の流れ
国の反論に対して塩基配列解析の結果を提出する手順は、以下のようになります。
1. 専門の医療機関での血液採取
塩基配列解析は一般的な健康診断や通常の病院の検査では行うことができません。この特殊な検査に対応している大学病院や専門の医療機関を受診し、あなたと父親の双方の血液を採取する必要があります。
2. 検査結果の評価と意見書の作成
検査機関から解析結果のデータが発行されたら、その結果が「不一致」であることを示す必要があります。多くの場合、検査を行った専門医に解析結果に基づいた「父子感染の可能性は低い」という旨の医学的意見書や報告書を作成してもらい、それを証拠として裁判所に提出します。
専門的な医学的立証は弁護士にご相談ください
塩基配列解析は高度な医学的知識を要するため、どの医療機関で検査を受けるべきか、どのような意見書を書いてもらうべきかなど、個人で進めるには非常にハードルが高い手続きです。国からの難しい反論に対しても、B型肝炎訴訟に精通した弁護士であれば、適切な検査機関の案内や医師への依頼をスムーズにサポートすることが可能です。
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