昭和52年(1977年)予防接種法改正:健康被害救済制度の創設と特措法の関係
昭和52年の法改正による救済制度創設と、後の最高裁判決に基づくB型肝炎特措法との相違。
昭和52年の法改正とB型肝炎特措法の違い
予防接種による健康被害に対する救済制度は、これまでいくつか存在してきましたが、現在の「B型肝炎給付金」制度とは根本的に性質が異なります。その違いを理解するためには、昭和52年(1977年)に行われた予防接種法の改正と、その後の最高裁判決について知っておく必要があります。
昭和52年の法改正による救済制度
昭和52年の法改正では、予防接種による健康被害を救済するための制度が創設されました。これは、ワクチンの副作用(副反応)などによって重篤な障害が残ったり、死亡したりした場合に、国が補償を行うというものです。しかし、この制度はあくまで「適法に行われた予防接種の副作用」に対する救済を主目的としていました。
一方で、注射器の使い回しによるB型肝炎ウイルスの感染は、ワクチンの正常な副作用ではありません。国の不適切な指導や現場の過失によって引き起こされた「人災」です。そのため、当時の救済制度では、B型肝炎の被害者は十分な救済を受けることが極めて困難な状況にありました。
最高裁判決とB型肝炎特措法の成立
長年放置されてきた被害者の方々は、自らの権利と被害の回復を求めて、平成元年に国を相手取って裁判(B型肝炎訴訟)を起こしました。そして、平成18年(2006年)の最高裁判決において、ついに「集団予防接種における注射器の使い回しによってB型肝炎に感染したこと」に対する国の過失と損害賠償責任が明確に認められたのです。
この画期的な最高裁判決を受けて、被害者全員を公平に救済するためのルール作りが進められ、平成23年(2011年)に国との基本合意が成立し、翌平成24年(2012年)に「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法(B型肝炎特措法)」が施行されました。
つまり、現在のB型肝炎給付金は、単なる見舞金や一般的な健康被害救済ではなく、国の明確な過失に対する「損害賠償金(和解金)」としての性質を持っています。だからこそ、病態に応じて50万円から最大3600万円というまとまった金額が支給される仕組みになっているのです。
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