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昭和60年(1985年)6月1日「B型肝炎母子感染防止事業」の全国開始と影響

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 昭和60年(1985年)6月1日以降に生まれた人は、B型肝炎給付金の対象外になりますか?
A 【結論と理由】昭和60年6月1日に「B型肝炎母子感染防止事業」が全国開始されたことに伴い、同日以降に生まれた方は原則として一次感染(集団予防接種等による感染)の対象外となります。
【例外と対策】しかし、同日以降に生まれた方であっても、母親からの感染による二次感染や、その他の原因で感染した場合は、法的要件を満たすことで給付金請求が認められるケースがあります。正確な受給資格の有無を確認するためには、母子手帳などの証拠資料を持参し、B型肝炎訴訟に詳しい弁護士に早めにご相談ください。

母子感染(垂直感染)を防ぐ取り組みの始まり

B型肝炎ウイルスは、注射器の使い回しなどによる感染(一次感染)だけでなく、ウイルスに感染している母親から出産時に赤ちゃんへと感染してしまう「母子感染(垂直感染)」という大きな問題もありました。集団予防接種で一次感染した母親から、子どもへとウイルスが受け継がれてしまう「二次感染」の悲劇です。

昭和60年の母子感染防止事業の開始

この母子感染を防ぐため、国は昭和60年(1985年)に「HBIG(抗HBs人免疫グロブリン)およびHBワクチンの投与事業」を開始しました。これは、妊娠中の血液検査でB型肝炎ウイルスのキャリアであることが判明した母親から生まれた赤ちゃんに対し、出生直後にウイルスの働きを抑える免疫グロブリンを注射し、さらに数回にわたってワクチンを接種するという画期的な取り組みです。

この事業が全国で開始されたことにより、昭和61年(1986年)以降は、母親から子どもへのB型肝炎ウイルスの感染(垂直感染)を高い確率で防ぐことができるようになりました。これは日本の公衆衛生上、非常に大きな前進でした。

二次感染者として給付金を請求する場合の要件

B型肝炎給付金制度では、一次感染者(直接、集団予防接種で感染した方)だけでなく、その母親から母子感染した「二次感染者」の方も給付金の対象となります。

しかし、昭和61年(1986年)以降に生まれた二次感染者の方の場合、前述の母子感染防止事業がすでに始まっていたため、「通常であれば感染を防げたはずだ」と見なされる傾向があります。そのため、給付金を請求する際の証明要件が少し複雑になります。具体的には、出生時にHBIGやワクチンなどの適切な防止措置が「何らかの理由でとられていなかったこと」、あるいは「防止措置がとられたにもかかわらず感染してしまったこと」などを医療記録等から証明する必要が出てくるのです。

二次感染として給付金の対象になるかどうかは、生まれた年代や当時の医療記録によって判断が分かれるため、専門的な知識が必要です。ご自身やご家族の状況が該当するかもしれないとお考えの場合は、一人で悩まずに弁護士に相談することが解決への近道です。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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