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旧予防接種法下での集団予防接種における市町村と都道府県の役割分担

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q 「旧予防接種法下での集団予防接種において、市町村と都道府県の役割分担や行政責任はどのように解釈されますか?」
A 【行政の役割分担と法的解釈】昭和期に行われた集団予防接種では、市町村長が予防接種の「実施主体」として実務を担い、都道府県が「指導主体」として監督・指導の立場にありました。国に対する国家賠償請求訴訟においては、こうした当時の具体的な行政責任や制度の仕組みを正しく把握することが求められます。
【訴訟準備におけるポイント】給付金受給のための要件を満たしているか確認するためには、当時の接種状況を証明する資料が必要となります。複雑な行政の責任関係や法的解釈をスムーズに進め、確実な資料収集を行うためにも、B型肝炎訴訟に精通した弁護士へ早めに相談することをおすすめします。

集団予防接種における国と自治体の行政責任

B型肝炎訴訟において、被害者(原告)が訴えた相手は「国(日本国)」です。しかし、実際に皆さんが子どもの頃に集団予防接種を受けた場所は、お住まいの市町村の小学校や保健所などであったはずです。なぜ、地元の市町村ではなく、国を相手取って裁判を行い、国が責任を負うことになったのでしょうか。その背景には、当時の法律に基づく行政の仕組みと責任の所在があります。

実施主体としての市町村と指導主体としての国

昭和23年に制定された旧予防接種法では、集団予防接種を実際に実施する責任(実施主体)は各市町村の長(市長や町長など)にありました。市町村長は、法律に基づいて住民に予防接種を受けるよう指示し、地元の医師などを手配して接種会場を運営していました。

一方で、国(厚生大臣)や各都道府県知事は、その予防接種が安全かつ適切に行われるように、市町村長や現場の医師を「指導・監督する」という役割を担っていました。つまり、現場での具体的な作業は市町村に任せつつも、全体の安全基準や方針を決定する権限と責任は国にあったのです。

なぜ国の責任が問われたのか

B型肝炎訴訟で争点となった「注射器の使い回し」は、ある特定の市町村だけで起きた特殊な事故ではなく、全国のあらゆる現場で日常的かつ組織的に行われていた慣習でした。

平成18年の最高裁判決などでは、「注射器の使い回しによる感染の危険性は医学的に明らかであったのだから、指導・監督する立場にある国は、全国の市町村や現場の医師に対して『絶対に使い回しをしてはならない(一人ごとに筒も針も交換すること)』と強く指導する義務があった」と判断されました。

つまり、現場で直接注射を打った医師や市町村の責任にとどまらず、全国的な安全管理を怠り、漫然と危険な状態を放置し続けた「国の重大な過失」が認められたのです。だからこそ、B型肝炎特措法による給付金制度は、特定の自治体からではなく、国が責任をもって全額を賠償する仕組みとなっています。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

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【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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