この記事の要点まとめ
直接死因が心不全・老衰でも、副因に肝がん・肝硬変が記載されている場合の3,600万円受給立証。
死亡診断書の「直接死因」が心不全でも給付金は受け取れるのか?
B型肝炎給付金において、肝がんや肝硬変を発症してお亡くなりになった場合の和解金(給付金)は最大3,600万円と最も高く設定されています。この最高額の給付金をご遺族が受け取るためには、単に亡くなった事実だけでなく、「B型肝炎が原因となる肝がん(または肝硬変)によって死亡した」という因果関係を裁判所で立証する必要があります。
その際、重要な証拠となるのが医師の作成する「死亡診断書」です。しかし、実際の死亡診断書には、直接死因の欄に「心不全」や「老衰」「呼吸不全」といった別の病名が書かれているケースが少なくありません。このような場合、「肝がんで亡くなったとは認められず、給付金が減額されてしまうのではないか」とご不安に思われる方も多いでしょう。
結論から申し上げますと、直接死因が心不全などであっても、条件を満たせば「肝がん・肝硬変による死亡」として認められ、3,600万円の給付金を受け取れる可能性は十分にあります。
副因(その他の重要な状態)の記載内容が鍵となる
裁判実務において、直接死因が肝がんや肝硬変以外であったとしても、死亡診断書の「その他の直接死因には関係しないが、死亡に影響を与えた傷病名(副因)」の欄に、肝がんや肝硬変の記載があれば、因果関係が認められるケースが多く存在します。
なぜなら、末期の肝がんや重度の肝硬変を患っている患者様は、全身状態が悪化し、最終的に心不全や呼吸不全を併発してお亡くなりになることが医学的に極めて一般的だからです。裁判所や国もこの実態を理解しているため、カルテ(診療録)の記録などと照らし合わせ、実質的にB型肝炎に起因する肝疾患が死亡の重大な要因であったと医学的に説明できれば、最高額の給付金対象として認められます。
カルテ精査による因果関係の立証が不可欠
死亡診断書の記載内容だけで不安が残る場合や、副因にも肝がんの記載がないような困難なケースであっても、亡くなる直前までの詳細な医療記録(カルテ)を取り寄せ、専門的な視点から精査することで因果関係を証明できることがあります。 たとえば、腫瘍マーカーの急激な上昇や、画像診断(CT・MRI)における肝がんの進行状況、医師のカンファレンス記録などを丁寧に読み解き、「実質的な死因は肝がんであった」とする医師の意見書を追加で提出するといった法的手法が有効です。
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