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被相続人が死亡前にB型肝炎訴訟を準備しており途中で他界した場合の訴訟受継

【本記事の監修者】
弁護士 井上 正人(大阪弁護士会所属 / 登録番号:第43449号 / 弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表弁護士)
※本記事は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法、基本合意書、裁判実務および厚生労働省の最新手続基準に基づき、法律実務の視点からわかりやすく解説しています。

Q B型肝炎訴訟の準備中や提訴後に本人が亡くなった場合、給付金請求はどうなりますか?
A 【訴訟受継による手続きの継続】ご遺族が「訴訟受継(そしょうじゅけい)」の手続きを行うことで、亡くなった本人の原告としての地位をそのまま引き継ぎ、裁判を継続して給付金を受け取ることができます。
【相続人全員での請求と専門家への依頼】受継人は相続人全員となり、故人の意思を無駄にせずスムーズに給付金を受け取るためには、複雑な戸籍収集や裁判手続きをB型肝炎訴訟に精通した弁護士へ早めに相談・依頼するのが最も確実です。

B型肝炎訴訟の準備中・提訴後に本人が他界された場合

B型肝炎給付金を受け取るためには、国を相手とした裁判(国家賠償請求訴訟)を起こす必要があります。しかし、この手続きには事前のカルテ収集から裁判での和解成立まで、通常1年〜1年半以上の長い期間がかかります。 そのため、ご本人が訴訟を準備している最中や、すでに裁判所に提訴して審理が進んでいる途中で、残念ながらお亡くなりになってしまうケースが存在します。

「本人が亡くなってしまったら、これまで準備してきた裁判は無効になってしまうのか?」とご不安に思われるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。ご本人が持っていた「国に対する損害賠償請求権」は、ご遺族(法定相続人)へと引き継がれます。したがって、ご遺族が手続きを引き継ぐことで、引き続き給付金を受け取ることが可能です。

「訴訟受継(すけい)」という法的手続き

すでに裁判所に提訴した後にお亡くなりになった場合、裁判手続きは一時的に「中断」という扱いになります。ここで、ご遺族(配偶者やお子様など)が自ら原告の立場を引き継ぐための手続きを行う必要があります。これを法律用語で「訴訟受継(そしょうじゅけい)」と呼びます。

訴訟受継を行うためには、亡くなられた方の出生から死亡までのすべての戸籍謄本や、相続人全員の戸籍謄本などを収集し、「誰が正当な相続人であるか」を裁判所に証明しなければなりません。相続人が複数いる場合は、全員が共同で受継することも、代表者を決めて引き継ぐことも可能です。 受継手続きが完了すれば、裁判は中断された時点から再開され、これまでの証拠や主張がそのまま活かされるため、一から裁判をやり直す必要はありません。

給付金額の増額(病態の進行)について

もう一つ重要なポイントは、お亡くなりになった原因がB型肝炎に起因する肝がんや肝硬変であった場合、生前に請求していた病態(慢性肝炎など)から「死亡」というより重い病態へと変更する手続きを行うことです。 たとえば、生前に慢性肝炎(給付金1,250万円)として提訴していた方が、裁判中に肝がんに進行して亡くなった場合、ご遺族は「死亡・肝がん等」の基準である最大3,600万円の給付金へと請求内容を拡張(変更)することができます。 この際、死亡診断書や亡くなる直前のカルテなどの追加提出が必要になります。

B型肝炎給付金の手続きや対象要件でお悩みの方は、一人で抱え込まず、厚生労働省のB型肝炎訴訟相談窓口(0120-800-024)や法テラス、全国の弁護士会法律相談センターなど、公的な相談窓口のご利用をご検討ください。

🏛️ B型肝炎給付金に関する公的な相談窓口

特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給要件、必要書類、訴訟手続きなどに関するご相談は、厚生労働省の専門窓口や中立的な公的機関をご利用いただけます。

【主な公的相談窓口】
  • 厚生労働省 B型肝炎訴訟相談窓口: 0120-800-024(平日 9:00〜17:00 / 通話料無料)
  • 法テラス(日本司法支援センター): 0570-078374(平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00)
  • 各都道府県の弁護士会: 全国の弁護士会法律相談センターにて専門相談窓口が開設されています。
弁護士 井上正人

この記事の監修

弁護士 井上 正人
(いのうえ まさと)

大阪弁護士会所属(登録番号:43449)
弁護士法人夕陽ヶ丘法律事務所 代表

相続や遺産分割、交通事故の賠償問題をはじめ、事業者様を狙う求人広告詐欺の被害救済やオフィス・テナント等の原状回復トラブルなど、不測の事態に直面した皆様の精神的・経済的なご負担を少しでも和らげ、正当な権利の実現と円満な解決へと導くためのサポートを徹底して行っています。

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